欝 な 君 の 屁 理 屈 論
[有り得ない偶然]  TOA



01. 十歳ということ





 side 『夢主1』





 オレの名前はルーク・フォン・ファブレ……と、いうらしい。
らしいというのは、オレ自身が【ルーク】であった記憶がイッサイガッサイ粉微塵もないからだ。
十年分の記憶を亡くした代わりに、どうやら前世の記憶を思い出してしまったらしい。
それ意味なくね?とは思ったが、まぁ、そうそうに死ぬことはなさそうなので良しとしよう。


 オレの生前の名を " " という。
何度か死んでは生まれ変わっているという記憶があるが、もともと記憶力が弱いため、かなり虫を食ったあいまいな状態で、そのどれも完璧には覚えていない。
ただ何度か死んでるなという感覚と、魂に経験が刻まれているのでやろうと思えば今の身体能力を無視して生前と同じような武芸をひろうできるということは確実だ。
っでだ。
また死んだな〜。そう思っていたら、残念ながらすぐに意識が浮上して目が開いたから、どうせ生まれ変わったんだろうと納得した。
っが、しかし。
目が覚めたらオレは10歳ぐらいの子どもの姿にまで成長していた。
さすがに生物であるかぎりは、生まれて、赤ん坊という段階を経て成長するのであって、十歳で生まれる生物はいない。
前々から記憶力が悪いとは思っていたが、今回ついに記憶喪失にまでなってしまったようだ。
馬鹿だ自分。なぜ生まれて十年すごした苦労を忘れて、忘れたままでいいはずの前世の記憶を思い出すかな。
おかげで文字とか覚えなおす羽目になったじゃないか。
自分らしいといえばらしいが、ぶっちゃけめんどくさい。勉強嫌いなのに〜。

 とりあえずルーク・フォン・ファブレなオレ。
どうやら久しぶりの赤毛人生をおくっています。
そうそう。もともと前世の" "も赤毛に黄緑の目だったからね。なんというか、この姿でも全く違和感がないというかなんというかで、やっぱりこの身体は誰のものでもないオレのだと思うから…憑依とかじゃないと思うんだよね。うん。
転生――えーっと何度目だったかな?まぁ、いいや。転生おめでとうオレ。
そしてどこで頭を打った十歳のオレよ。








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