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03. ステーキで兄を泣かせた |
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:: side 転生ジョット :: 夢を見ていた。 仲間がいて、たくさんたくさん自分の好物を作ってくれる夢。 目の前にはステーキがあって――。 「ほらジョットくちをあけろ!」 丁寧にサイコロサイズに切られたそれを、仲間の一人が私の口元まで運んでくる。 子供じゃあるまいし、人に食べさせてもらうのはさすがにイヤなのだが、ステーキがオレを呼んでいた。 「あ〜ん」 パク。 モグモグモグ。 うまっ。さすがG! ってか、こんな甲斐甲斐しいGなんてはじめて! やっと私の偉大さがわかったかと感激した。 いや、でもあれでもご飯の味は変わらないから良いんだけどね。 だからつい突き出されるがままに、ご飯を食べさせてもらっていた。 そうしてふと視線を感じてそちらを見ると、一緒に食事をしていたボンゴレ二世なんか、目玉が飛び出そうなほど唖然とした様子でこっちを見ていた。 あまり表情の動かない強面な二世だからこそ、そのビックリ顔は面白かった。 「お前らは恋人か!!」なんてブツブツつぶやいているけど、どうしたんだろう? ってか、それよりステーキ、ステーキ。 つきだされたフォークに再びくらいつく。 大きな口を開けて、ペロリと食べる。 そこでGが怪しく笑ったのに気付いた。 ほら、もっと食えと・・・食べ終わる前に強引にドンドン口に詰め込まれる。 ぎゃぁ〜!!!!!!ちょ、まって!苦しいから!!死ぬからっ! 鬼がここにいた。 ほんとGってば可愛げなんか微塵もなく、むしろようしゃがない。 いつものことだけど。 しかも笑った子供をひとにらみで泣かす怖い顔の二世よりもはるかに、いまのGの顔の恐ろしいこと! その悪魔のような黒い笑顔に気付かなかった自分が憎い。 も、もうだめ… 手も足も動かないので、息が苦しくなってもどうすることもできない。 そのまま皿が空になっても詰め込まれ、さらにはG自身の分の食料まで押し込められ、私は意識を失うという悪夢。 実はいつも執務をサボって逃亡していたせいで、椅子と一緒に簀巻きにされていた私をGは心の底から腹を立てていた。 絶対逃がすかと紐を解いてはくれなかったGが、珍しく私にやさしいと思ったら…やっぱり裏があったらしい。 目の前のステーキに目を奪われてまったく気付かなかった。 簀巻きのままむりやり口につっこむの刑。 そうして復讐を遂げたGは満足そうにしていたそうだ。 ********** ちなみにそれは過去本当にあった出来事であり、そして夢だ。 夢は夢。 なぜなら私は生まれ変わったのだから。 「う?」 目を覚ませばやはりベビーベットの中。 次に目を開けたとき、双子の兄がこちらをおびえた眼差しで見ていたのが気になった。 なぜか兄のその小さな腕はびしょびしょに濡れていたのに首を傾げた。 ツナヨシ、泣いてるし。 どうしたらそんなところがぬれるかわからないが、ツナヨシはコチラをみて大声で泣き始め… わからないなりに、自分が泣かせたと直感してしまい―― 言葉が通じないのを知りながらもひたすら謝り続けた。 |