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04. 家庭教師と終焉の申し子 |
あなたは知らないから。 だから、恐怖と殺意によって背をおされずともオレに近づける。 だから、オレがなぜドジなのか・・・知る由もない。 オレがドジなのは、これは演技でも能力の問題でもない。 “零崎”であることを抑えている反動。 緋織――笹川京子が側にいない限り、オレは上手く“息”も吸えない。 だからね。 家庭教師さん。 あなたがたとえアルコバレーノであろうと、こればっかりはどうしようもないと思うよ。 抑えたものを開放してしまえばすむことだけど、そうするとあなたは必要なくなってしまうしね。 さぁ、どうくる? ―― side 沢田綱吉 リ「おいツナ」 綱「ふえ?」 楽しそうな日々が始まりそうだとワクワクとリボーンをみつめていたら、真剣な顔(といってもそう思っただけで実際は無表情だ)でこちらをみてきた。 リ「一つだけ教えておくことがある」 綱「なに?ハッ!?もしかして」 リ「ああ、そうだぞ。これから話す事はボンゴレの・・・」 綱「まさか本当にオレのトラブル吸引体質を改善する方法!?」 リ「は?」 綱「ホントに本当!? ボールを受け取りにいったら放置されてたホウキにつまづいて顔面からボールキャッチとか、犬をよけたら溝があって落ちるとかもうしなくていいの!? そうだよねマフィアのボスになるくらいだからそんなことしてちゃだめだよね! 宜しくねリボーン!」 リ「・・・・・・とことんダメダメだなお前。 まぁ、それはただおめぇが周りをみてないか反射神経が鈍いだけだろう。 後でねっちょりしごいてやるから安心しとけ」 綱「安心てことは…やった!本当になんとかなるんだねありがとうリボーン! オレ頑張るね!」 リ「あ、ああ」 綱「聞いた母さん!オレのトラブル吸引体質治るって!」 奈「あらまぁ本当に?」 リ「ほ、ほんとうだぞ」 奈「まぁ!」 奈「グスン・・・よかったわねぇツゥくん!いままで運動音痴だからにちがいないって身体を鍛えさせても穴にはまっては壁にぶつかりどれだけお祓いしても黒い影は離れないしどこからともなくボールはとんでくるし電車は大概事故るし治らなかたのに・・・。 ツゥくんをお願いねリボーンちゃん!」 綱「母さんオレひとりでも町中を無事に歩いて帰れるよう頑張るよ!」 奈「そのいきよ!」 リ(聞いていた話と違う!なんかまじいところにきちまったかがするぜ) リ「それはそうと、ママンちょっとツナを借りるぜ」 【表】の何も知らない沢田綱吉なら言うだろう言葉と態度を予測して、このドジ具合をトラブル体質というふうに思われているのだとリボーンに信じ込ませる。それは超直感を使えばあらかた予測できていた流れなので、同様も隙もあるはずもない。 そうして母さんが聞こえないようにと、リボーンに連れてこられたのは二階のオレの部屋。 リボーンはクイっと帽子のつばをひっぱり、目元を少し陰らした。 大丈夫、言いたいことはわかるよ。 ああ、そんなに緊張しなくてもいいのに。 別に【裏世界】のことを口にしたからと言って、彼らが君を狙ったりするはずないのに。 リ「おれがさっき言いたかったのは、そのトラブル体質のことじゃあねぇ。もっと重要だ」 綱「え、これ以上重要なことなんかあるの?」 リ「お前をマフィアのボスにさせると俺は言っただろう? いいか。マフィアになるからには、必ず知っておかなきゃいけないことがある。この世界は四つにわかれてるのは知っているか?」 知ってるとも。 けど意味が分からないとばかりに首をかしげる。 おおまかに、世界は四つにわかれてる。 そうしてリボーンの口から語られる“オレたちの”【裏世界】のこと。 綱「えーっと、マフィアって裏じゃぁないの?リボーンもいま“裏社会”っていったよね?」 リ「裏は裏でも“裏社会”と【裏世界】は、次元がちげぇ。 しいてあげるなら、俺達マフィアも【表世界】の人間だ。 【裏世界】の奴らは、もうそれこそ別の生き物だと思ってくれていい。 だから裏社会から堕ちて【裏世界】にまで足を突っ込まねぇように、気をつけろと言いたかったんだ」 一般人の住む「表世界」 玖渚機関の支配する「権力の世界」 四神一鏡の支配する「財力の世界」 そして“殺し名”や“呪い名”の支配する「暴力の世界」 そう、マフィアなんて、しょせん【表】の世界の人間。 彼らもそれ以上下には来ないように、自らの掟を厳守している。 リ「【裏世界】の住人。とくにヤベェのは、さっき言った“零崎”ってやつらだ。あいつらには関わるな。奴らは“逸脱”してる」 わかってるよ。それくらい。 だから彼らは“逸脱した者同士”集うことで、“かぞく”となり、温もりをはじめて得た。 “零崎”はそういう生き物だ。 綱「えーっとでもそんな表とか裏の違いって見てわかるものかなぁ?むしろ知らなければ相手も知らんぷりしてくれるんじゃぁ?」 リ「まぁ、そうだな。そうでなきゃ【裏世界】のやつらが、こんなにも人間がうごめくなかで、目立つこともなく奴らの存在が【表】にいっさいしられていないはずがハズがねぇからな。やつらもまた人のなかに埋没して生きている。気づいたら逃げろってだけだ。気づかなければそれはそれでいい」 綱「怖い人たちが来たら死ぬ気で逃げます!だからリボーン。お願い!この体質何とかして!!」 リ「そうか。じゃぁ、まずは―――」 はじまりはじまり さぁ 君とオレの物語の始まりだ 君がオレの【裏】の真実を知ってしまったがゆえに 人生の幕を閉じるの先か それとも 世界の守り人としての 輝かしいほどの【表】の人生を築いていくかは 君の運しんだい ――さぁさ 解くとご覧あれ! “沢田綱吉”の平凡な日常はこれにて終幕。 今日からは“零崎穹識”の非日常の始まりだよ! |