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01. 緋色の回想 |
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はじめて“零崎”――“殺し”をしたのは、両親にだったの。 べつにきらいだったわけじゃない。 むしろ大好きだったの。 「嘘じゃないの」 本当に大好きだった。 でも。 わたしの本質は『零崎』だったの。 『零崎』は理由なく人を殺す。 息をするのと同じように、殺す殺人鬼。 それは後付された性格や趣味、人格でもなんでもなく――本質。 わたしは“そういうもの”だったの。 ただ両親はそれをしらなかっただけ。 だからふたりは死んでしまった。 いいえ。 ころしたのはわたし―― ―― side 名のない緋色の零崎 わたしは両親が好きだった。 いつもわたしを可愛いって言ってくれたし、笑いかけてくれた。 わたしの頭を撫でてくれるお父さんの大きな手も大好きだった。 でもね。 いつも思ってしまったの。 「ここから押せば死ぬ」「これを刺したら死ぬ」「これで殴れば」とか・・・。 無意識にそんなことばかりを考えていて。 でも。それをやると、大好きな手でもうなぜてくれないのもわかっていたの。 大好きなお母さんの優しい声も聞けなくなるのがわかっていたの。 わかっていたから『こらえて』いたの。 息を殺すように その“衝動”をおさえていた。 だって“死ぬ”って―― いなくなっちゃうってことでしょう。 だからね、がまんしてたの。 ずっと。ずっと・・・。 うん。わたし。 お母さんもお父さんも大好きだったのよ。 でもね 「お母さんもお父さんもしょうがないなぁ。だからダメっていったのに」 せきは決壊した。 わたしにきっかけを与えたのはお母さん自身。 ごめんなさいは、言わないよ。 だってわたしはほんとうに“そういうもの”なんだから。 それが【零崎緋織】という存在。 それがわたしのはじまりだった。 |