影と咲く陽だまりの奏
-HUNTER×HUNTER-



07. 流星街の毒もなんのその





「なにをしている?」
『おや。去年の誘拐犯さんではないかね』
「誘拐犯じゃない。クロロだ」
『わしは じゃ』

クロロ・ルシルフェルが久しぶり古巣に帰ると、なにやら見覚えのある顔が、不似合いな場所でのんびりとお茶を飲んでいた。

「ここは流星街だぞ」
『そのようだのぉ』
「なぜ、お前が “ここ” にいる?」
『うむうむ。いいな名前じゃよな流星って。願い星、わしは好きじゃよ』

クロロは流星街の長老とのんびりお茶を楽しんでいる相手をみつけ、あきれるように眉を寄せた。








:: side UNKNOWN ::








が箱にはまり込んでしまい、そのまま運ばれた先は、ガスマスクや全身防御スーツなどがかかせないほど毒に汚染された場所だった。
そこは見渡す限りゴミの山で埋め尽くされていて、どの建物も老朽化が進み奇麗な作りたてのようなものはない。
空気は淀み、分厚いスモッグで視界はかすみ、何を捨てても許される―――それが流星街だった。

その中では力こそすべてであったが、また住民たちの団結力もまたすさまじかった。



生身で外を歩けばすぐに身体中の器官すべてが狂ってもおかしくないその場所で、マスクもなにもつけず平然と歩く子供の姿がある時期からあった。


その不思議な子供が現れたのは丁度1年ほど前のことだろう。

ゴミを捨てるためらしい箱から転がりでてきたこどもは、 といった。

箱からでて外を見た は、不思議そうに宇宙人たちを見つめていた。
その第一声は、状況よりもはるかに軽いものだった。

『ふむ。困ったのう。わしはどこまで迷い込んだのやら。ここは火星探索場か?』

はコテンと首をかしげていたが、起き上がると埃を払い、自分の状況を確認しようとするように街の散策を始めた。

はじめ、突然現れたよそ者に住民たちは警戒をしていた。
しかしあることが原因で、 に極力かかわるのを禁じ始めたのだ。


「貴方念能力者ね。ついてらっしゃいな。わたしたちと一緒にいれば安全よ」

興味深げに首を左右に振って道端を歩く小汚い子供を呼び止めた女は、流星街でも下のグループに位置していた。
彼女が子供を利用して、自分たちのグループを上位者にしようと企んでいるのは、誰の目にも明らかだった。

しかし誰も注意するものはいない。
そこでのまれるのならその程度と判断しているのだ。

女が再び新参者の子供に声をかけようとしたとき、彼女突如頭上が暗くなるのを感じてふりかえり――-。

勢い良く伸びた子供の影に飲み込まれて女は消えた。

それを境に、子供を危険分子と判断したものたち、その子供に殺された仲間の敵討ちをとろうとやきになる者たちが子供を狙った。
それら長から放たれた武人や暗殺たちすべて、たった一人の小さな子供の念により全員が二度と帰ってくることはなった。

そのころになってくる子ども自身も自分の周りで何が起き、己の影が自分の身を守るため人を食らっていたことを知る。

住民たちはその小さな子供の「影」を恐れ、やがて遠巻きにだけ見るようになった。
不気味な能力を使う相手に流星街の住民たちは、仲間がこれ以上食われることを警戒し自ら近づくことは避けていたが、その子供に慣れることのない者達は、子供が街から去るのを願った。

しかし子供は一年間、流星街で生き延びた。

がふらりと街の外にでていくことはあっても、気がつけば戻ってきているのだ。



流星街から子供を追い出すことも殺すこともできずと十人が惑っている時に、ファーについた黒いコートを着た逆十時の男は現れた。

それは子供と幻影旅団との始まりだった。








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