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09.挑戦者からみた赤 |
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:: 勘違い気味な短パン少年視点 :: その日、俺はとんでもない奴に会った。 そいつとであったとき、まずこいつなら勝てる。そう思って勝負を仕掛けた。 なによりあいつが連れていたバタフリーが凄く綺麗で、ほしいと思ったんだ。 もちろん結果は惨敗。 おれの肌はいつも外で虫取りをしているので、こんがりいい具合に焼けている。 それに比べて相手は、病弱的なまでに白くて細い。 太陽にあたっていないせいか、半袖からのぞく腕は、細くなまっ白い。 全体的に筋肉のない身体は細身で小柄。 女といってもいいんじゃないかと思うほどとにかく白くてひ弱そうだった。 室内で本でも読んでいるのが似合いそうな、おとなしげな貧相な子供。 だからどこかいいとこの子供か、今日が10歳だからはじめてのポケモンで外にでたのかもしれない。 それぐらい相手はなにを考えているかわからず、ただボォ〜っとしているようにしかみえないかった。 この様子なら実戦派ではなく、まちがいなくインドア派なのだろう。 そう、高をくくって、強気になって勝負を挑んだ。 勝てると思ったんだ。 それともオレはその容姿にだまされ、ただ過信しすぎていたのかもしれない。 試合を始めてすぐに、自分たちの実力差に気付いた。 それは一目瞭然の力差だったのだ。 試合中、そいつの声は一度も聞いていない。 そう。バトルをしたのに、奴は一度さえ口を利かなかったのだ。 もしかすると口が利けないのかもしれない。 何度か口をパクパクと閉じたり開いたりしているのを見かけたけど、そこから音が出ることは最後までなかったから、間違いないと思う。 ならどうやってバトルを指示するのかと思いきや、軽く指を降る。その動作だけで、あいつのポケモンたちは動く。 話せないのなら、決められていた合図にのっとてポケモンたちはその指示をうけるために、常にトレーナーの様子をうかがっていないといけない。 だけどそれさえなく、あいつは淡々と指示を出す。 ポケモンたちは一度さえ見向きもしていないのにその指示を的確にこなす。 相手の声が聞こえないことに、はじめて恐怖を覚えた。 ここまで、相手の行動が予測できないのバトルははじめてだ。 それはあの赤いトレーナーとポケモンたちの間にある暑い信頼を見せ付けられているようだった。 簡単に交換できるから。欲しいからよこせ。 そんな軽い言葉と気持ちでバタフリーを望んだオレなんかは、戦う前から負けていたんだと思い知らされた。 逆に相手は帽子のかげからこちらの顔色をうかがっている。 おれがみても彼の顔色は一切変わっていないし、ポーカーフェイスが得意なのか、それとも余裕のあらわれか。 始終、彼に表情の変化はなかった。 そして案の定。 勝負はオレが負けた。 |