有 り 得 な い 偶 然
第5章 N ARU T0



37.仕事を紹介してください!





生きるために必要なのは、衣・食・住!!
そのためには、まずはお金が必要です。
ファンタジー世界でもお金はとても大事です。
ってな、わけで――

「仕事を紹介してください!」







::: side 夢主2 :::







 目を覚ました先は【NARUT0】の世界。
しかもそこで出会ったナルトは、なんと――私がトリップ体質となる原因となった事故に一緒にいた先輩さんだった。
予想外の世界で予想外の人と再会して、私はさっそく生き残るために住む場所と仕事を紹介してもらうよう頼んでみた。

わたしのできることは薬売りさん直伝の薬の作り方。
それと【モノノ怪】世界で得た特殊な目ぐらい。

そして、ここは【NARUT0】。忍者がいっぱいでいつも戦闘とかがメインの世界。
うん。極力…いや、絶対に原作には関わりたくない!
一般人に毛の生えたような私じゃ死ぬ。

そう思って渡された仕事リストをみて、顔が引きつった。





* * * * *





仕事を選ぶことになりました。

『んじゃ、こっから好きなの選ぶってばよ』

体調が回復した後日。
ナルト姿をした先輩(以下先輩表記)はベットの上に数枚の紙を置いた。
いわゆる職募集のやつだ。

「・・・すみません。ありがとう」

こんな早く仕事と住居を得ることが出来るのもた先輩がいるからこそだ。
いなかったらどうなっていただろう。
こわくて考えたくない。

(不審者で牢屋いき?いやいや、ここは忍の世界、牢屋じゃなくて拷問かも!?
里の誰かと顔見知りや口添えなけりゃ部外者な訳だし……。先輩に会えたってことは、これって運がいいのかな?)

幸先良好とか思っていたけど、渡されたリストを見て血の気が引いた。

「せ、せんぱい」
『ん?なんだってば?』
「…なんですかこれは?いかにも究極な選択のオンパレードは!?」
『なにって、仕事内容(ニッコリ)』


@ 奈良の家の手伝い
A オレ、のボディガード
B 花屋でバイトしつつ暗部
C 五代目火影の手伝い

さぁ、選べといわれたのは、すべて住み込みの仕事らしい。
でもなぜかどれも裏がありそうなものばかり。
それ以前になぜ暗部!?

『なぜもくそもなく、すべて君にあったものだってばよ。
なにせ薬売りさん直伝というメッチャミラクルな知識をもってるんだ。これを生かさずになんとする!?
って、なわけで奈良のおっちゃんが丁度助手を探してたからリストにいれてみた。
ちなみに@を選ぶと、君の住まいはあのシカマルの家になります』

このひと、間違いなく私が原作キャラに関わりたくないのをわかってやっていそうでイヤだ!
恐る恐る書類から顔を上げて先輩を見やれば・・・

に や り

笑ってるし。

『そんで〜Aはおいといて』
「おいとくの!?(一番嫌な感じがして気になるんですが!?)」
『…話が長くなるからね。
っで、Bだけど。これは花屋でバイトしつつ住み込みOK。だけどその合間には暗部仕事をしてもらうって意味ね。
君のその能力は暗部で役立つからさ。里への侵入者探知をしてもらいたい。
もちろん君が前線に出て戦うようなことはなく、君の身の安全は保障するよ。でもその場合の君のポジション暗部だから!(笑)
最後にCだけどね。これは…まぁ、医療の研究にたずさわってもらうのがオマケさ』
「オマケ?それじゃぁ、メインって・・・』」
『さすが。勘がいいなぁ。とりあえず五代目の賭け事好き、もとい金のあらさを悔い改めさせることだよ』
「・・・・・・・・・・・まじ?」
『マジだよ』

随分バラエティの飛んだ選択に少し驚く。
書類に記された短文。その隠された裏の意味にもびっくりだ。
・・・これはこれで悩むけど、どうしても職と住む場所はほしい。
自分が出来そうなのはどれだろうか。

『と、話は以上だけど。どの仕事にしたって要約するとオレのげぼ…ごほっ。失礼。オレの部下ね』
「それは勿論…」

良いです。と答えようとした口は先輩の《あまりにも》綺麗な笑みで何故か紡げなかった。
気のせいじゃなきゃ周りにキラキラ光る効果まであったように思える。

オレの部下です。ここ、太字ね。大切なことなので2回言いました』
「それ・・・なんのフラグっすか?」


『あえて言うならオレの精神を守りきるための防衛フラグ?』
「なにそれ!?」

その言葉の本当の意味を知ることになるのは――案外すぐだったりする。









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いまさらですが。
どうやらわたし、凄い世界にやってきてしまったようです。








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