有 り 得 な い 偶 然
第5章 N ARU T0



35.恐怖の終わりと始まり





前回の件で、女の子が好きになったオレです。
無理やりですね。
わかります。
かといって、本当に彼女を募集しているわけでも興味のある女性ができたわけではない。

もちろん にラブではない。
あいつのことは、あくまで転生仲間としてしかみていない。







::: side 夢主1 :::







 の目が覚めて、動けるようになったとたん。
オレは彼女を連れて里中を引きずりまわし、オレの身の潔白を証明しまくった。

「せ、せんぱい〜。こ、これで最後スかぁ?」
『おう。これで最後だ!!(むしろこれが本番だ)』

 バン!と特別上忍の待機室の戸を開け放つ。
 勢いをつけすぎたため、頭の上にのかっていた二匹のけもっこ達がきゅぅ!?とかワフ!?とかかわいい声を出して落ちかける。
それを空中でキャッチして定位置に戻すと同時に、室内を見たのあごがカックリと開いた。

「あらぁナルトじゃぁない。って、なによぉあんたはぁ?」

「み、みたらしあんこぉ!?」
『そう。よろしく頼むってばよ

 ニカと笑って、レイを部屋に押し込んで、オレはアンコさんに捕まる前に逃亡させてもらった。
その後どうなったかは知らない。
ただ説得には成功したようで、次からアンコさんに出会っても襲われなくなった。

 そのときオレは、のんびりと里を歩いていた。
偶然あったアンコさんがポンと肩をたたいてきて「あなたがそうでなくても。私は好みのタイプだったのよ。あなたみたいに強くて、明るい子。でも諦めるわ」と声をかけてきた。
諦めてくれてよかった。
じゃなかったら、オレの命・・・否、操が危なかった。

 なにせさすがは大蛇丸ことおーちゃんの弟子だけあって、アンコさんはショタっけがある。
しかも強い奴とか血筋がいい奴に関しては、二人そろって目の色変えて迫ってくるので・・・こわい。まじこわい。
さらにオレはレイのせいで変な噂がたっているので、〈ナルトが年増好き〉という噂を聞いて手をニギニギとして迫りよってくること一週間近く。

二人の狙いは“うずまきの血”と“四代目火影の血”、“強い力を持つ子供”というおいしいオプションありまくり、誘拐すればなお万歳のオレ。

怖かった。
怖かった怖かった怖かったぁ〜!!!!

父ちゃんの隙をついておーちゃんまでくるし。
それがオレが年増好きという噂が流れただけでこれ幸いとせまってくる。
猟奇的なオカマと、その弟子の凶暴団子好き人間が。

本当にこわかったんだ!

ああ、でもこれでやっとによるナルトの彼女=年増だという誤解騒動もひと段落だろう。

この恐怖の日々から開放されるのをどれだけ待ち望んだことか。

 何も絡んでこずに去っていったアンコさんをみたときは、思わず呆然としてしまったものだ。
 でもそのすぐあとに、そのときばかりはに心から感謝したよ。
ありがとう!!
この恐怖からの開放のときをどれだけ待ち望んでいたか!!
オレはその場に膝をついて涙を流した。

里の二大恐怖から開放されたちびっ子です。
13歳という短い人生で終わったかと思ったけど、よかった!本当によかった!!





* * * * *





 さて、そろそろのことだから、衣食住の保証がほしくなってきたんじゃないかと思うんだよね。
例えば「そろそろ迷惑ばかりかけてるのは〜」とか言って、住込みなんて仕事はないかと聞いてくる頃だと思う。
彼女ってオレに比べるとかなり平凡だけど、なんちゃってで飛ばされた世界でも必ず生き延びてるんだよね。
それもこれもたぶん、彼女が神崎だからだろう。
オレの知る神崎なら間違いなく、がむしゃらになって生きる道を選び取る子だからね。
きっと頑張ったんじゃないかな。

っでオレは、ウキウキ気分で、誤解を解いてくれたに御礼をすることを決めた。

 お礼は衣食住付きの仕事一覧表。
もちろん。すべてオレによる見事な計算のもと選ばれたバイトたちだ。

悪いようにはしないさ。


 それからしばらくして、案の定、彼女から仕事を推薦してほしいといわれた。
さっそく、オレが作ったバイト一覧が役立ちそうだ。



 ま、結局はどれも。オレをこの里の脅威(主に四代目とか五代目火影)から守ってもらうことに変わりはないんだけどね。

ああ、そっか。
このままじゃぁ、彼女にとっては、どの仕事を選ばせても“恐怖”でしかないかもしれないね。
なんたっては、原作に関わることを嫌っている。
原作に関わればただですまないのを理解しているからだろう。

それに・・・
彼女の場合、どうも世界をあるべき流れから帰ることに抵抗があるようだ。
オレはイケイケゴーゴー!派で、原作なんかぶっ壊す派だけどね。
まぁ、この世界においては、それはちょっと難しいみたいで、なにをしても大きな流れは変わらないみたいで集勢力が結構かかっていた。





 さぁ、我が親友の顔を見に行こう。
彼女が恐れおののく顔が目に見えるようだよ。

でもね。これは、本当にお礼の気持ちを込めてたんだよ・・・最初はね。











--------------------

本当にお礼のつもりだったんだけど・・・
あぁ、そうだね。君はオレに恐怖するだろう。
わざとじゃないけど、やっぱりオレはオレの身が大事だったんだ。
ごめんね。そんな仕事ばかり斡旋して(笑)








← Back  [TOP]  Next →