24.異 分 子 |
なにかの漫画で呼んだお話。 偶然など世界にはどこにもなく、あるのは必然だけだと。 そんなこと有り得ない。な〜んてことは、思わない。 有り得ないような偶然の出会いがおころうと、それが必然だったのだとしても。 なぁーに、必然がどういうものであるか知らない者にとっては、たいしたことのないものだ。 そこに世界の理が関係していようと、自分の意思できめたけど、実際は違ったとしても。後悔のないように進めれば、それは自分が貫いた意思なんだと思う。 ようは、今、自分が何をどうするかってことだろ? はは。 オレなら、こういうとき笑うね! ::: side 夢主1 ::: この世界での保護者な後輩が、ただいま学校にいっているので、近所のお店にあづけられているオレだ。 駄菓子屋には、同じ年(外見的に)ぐらいの遊び相手がいるので、とても日々充実している。 『なぁ、店長さん。今日の夜はお刺身が食べたい』 お留守番中、店先から見上げていた空にうかぶ雲があまりに美味しそうな形をしていたため、突如食べたくなった魚。 それを言ったら、今日の夜飯が決定した。 よっし! 最近は、もすっかり浦原さん家でご飯にしているから、めちゃくちゃうれしい。 『魚なんてひさしぶりだな!オレ!海で育ったから新鮮なん御選ぶの手伝うな!』 「それはいいですねぇ。 ではちょっとあたしら買いだしにいってきますね。留守番よろしく〜」 そんなこんなで手をひかれ、オレと店長さんは店を出た。 迷子になってはいけないからと握られた手。 オレの世界の家族たちの武骨なそれとは違う――剣士の手。 「ずっと気になってたんですけどねさん。あなた、“どこ”からきました?」 『死者の国からではないのは間違いないな。ここからではとても遠い海から。そこはとても広い世界の青い海から』 「おや、いままでの、こどもらしさは演技でしたか」 『お前がそうやってはぐらかすことを望まなかったからな。 はオレの素性がばれることをよしとはしなかったが、オレはそうはおもわなくてね。 あんたのようなと2人きりになれる機会を待っていた』 「ほう。それはそれは。あたしなんかをずいぶん高く買っていただけたようですね」 『・・・“黒崎一心”でもよかったんだ』 「彼のこともご存知でしたか」 『死神だろう?これより先、未来を知りうる死神には、ひとりでもいい会っておきたかった』 「もしかしてさんは、虚とかみえてたります?」 『バッチシ』 「まったく気づきませんでした」 『そういうもんだろ。ましてやオレはじゃない。彼女は世界にいつも溶け込むが、オレはとはちがい、世界から異端視されやすい。 それゆえにオレという存在を普通の人間は認識しずらく、記憶にも残りにくい。 あなたとはこうして毎日会っていること、さらには人ではなく死神であること。 それもかなり力のある特殊な死神であることが、オレという存在を記憶にとどめておけている要因だと思われる。 現に一週間前に会った四軒隣の大学生は、オレのことを初対面と言った。 あんたならばわかるだろう?オレの異質さが。これが世界率の歪みの原因となりかねない。 だからこの世界の均衡を守る死神であるあんたには、オレという存在を知っていてもらいたかった』 元の世界に帰るにしても。 この世界で朽ちるのだとしても。 いつかはこの世界から抹消されるのは間違いないから。 『肌が合わないっていうのはこういうのをいうんだろうな』 この世界もダメだ。 虚がオレを異質だと感じてせまってきたように。 オレもこの世界にいると、いらない重圧を感じる。 それははじまりの世界と同様。 『世界はオレを嫌っている』 「突然あなたが消えたとき、記憶の誤差を感じないようにするための忠告ですか?」 『せめて助言と言ってくれ』 「ああ、すみません」 彼の言うとおり、やがて、オレという存在がいたという痕跡や記憶、それらは世界の理にのっとて消されるのだろう。 ああ、はやく帰らなければ。 オレが世界によって消される前に、元の世界に、優しいあの世界に帰りたい。 「帰ってこい」と言ってくれたあの世界だけが、オレを受け入れてくれているから。 * * * * * 「現状についてどう思いますさん?」 『どうもこうもねぇだろう。お前さん、武器は?』 「いちおうありますよ」 『じゃぁ、オレはこのまま囮になるんであとよろしく』 「了解です」 なにがどうしてこうなったのか。 というか、ただ、歩いていただけだけどな。 あの会話の後すぐに、虚の群れに襲われました。 群れといっても5匹だけだけど。 たまたま店長と公園の前を通ったらこれだ。 小さな子どもの幽霊が、虚に襲われているところを救えば、なぜかわらわらと虚が増えまして。 やつらの標的がオレに変更になりました。 オレが囮になることで、こどもは浦原にうまく逃がしてもらう。 まぁ、詳しい戦闘描写とか不要だよな。 結論からいって、さすが天下の死神隊長! あっさり勝ってくれた。 そんな感じで、歪みの話を実体験で理解しちゃった浦原。 ついでなので、オレはすでに二度は死んでで生まれ変わった転生者であることも伝えておいた。 帽子でかくれた目をまんまるにして驚いていたが、先程の出来事のせいで納得してもらえたようだった。 浦原さんと仲良くなった。 そのまま虚をまいてまいて〜。 一般の死神もあっさりスルーしてしまくって〜。 お魚を無事買った。 * * * * * 「ただいま〜」 浦原が店の扉を開ければ、そこにはメインキャラクターがいらっしゃった。 あと、が青い顔でこっちをみていて。 その視線が困ったように、浦原と彼女の横のにいる少女へと向く。 『しられたくないのなら、意識を狩ってしまえよ』 視線で促せば、鉄裁さんが「おまかせを」とばかりに頷き、一般人らしい少女の背後にお供気配もなく近寄るとそのままトスっと彼女の首元に手刀をおとした。 はい。いっけんらくちゃーく。 『終ったぞ。どうせなら死神がやる記憶操作術で、そこの御嬢さんの記憶改ざんすればすべてが丸く収まると思うよ』 「そういうことじゃなーい!!!」 『なんだよ。注文多いぞ』 「ちがう!違うんだ!!わたしは事件に巻き込まれたくなかったんだ!!!!」 頭を抱えて黒崎一護とルキアをみやるは、原作知識がオレより豊富なので、さぞ対処に大変だろうと思った。 あ、どうせなら、主人公コンビにも記憶操作かけちゃえばいいんでね? オレ、やりかたしらないけど。 でも店長さんの記憶は奪われたら困るかな。 せっかく、オレの異世界ライフに協力してくれることになった味方なのに。 -------------------- 「よし!××さんから鉄裁さんの記憶をごっそり改変しましょう!!」 『おーのりきだな』 浦「いいんじゃないですかぁ?なにせここは普通の人間が来るような場所ではないですしね」 「え(汗)」 黒「ところで神崎といい、お前だれ?」 その後、一護とルキアは、顔の前でボカン!ってされて、記憶をなくした。 おかげで主人公と浦原さん(+)の遭遇はなかったことになった。 きたのはルキアだけが、なんとかガンとかいう玉の交渉に来たということになった。 |