有り得ない偶然 Side2
++ P4⇔TOV ++




01 ユーリに憑依したら女になった!?



備え付けられた鏡を見て私は鈍器で殴られたかのような衝撃を受ける。

「ユーリ?」

朝起きたら髪が
羨ましいぐらいサラサラストレートロングの濡れ場色になりました。

「ヴェスペリアぁぁぁ?!」





** side 夢主2 **





どうも。ほんのついさっきまでは【P4】世界で主人公に成り代わっていた―― () です。

もう一度言います。
【P4】世界の主人公(ただし性別女。ただし見た目は男主人公――いわゆる男装女子)でした。

そんな私が、気づいたら、世界観も全く違うゲームの主人公になっていた件。
憑依したのは、かのファンタジー大作シリーズ「テイルズ」における【TOV】の主人公ユーリ・ローウェル。

なぜ、一目でゲームキャラで成り代わりだとわかったって?
私、ゲーム大好きです。アニメ大好きです。
つまりオタクですし。

それに【P4】世界でも普通にゲームしますし、あの世界にも「テイルズシリーズ」存在してたし。
あの世界で私が知っていてないゲームは、せいぜいペルソナシリーズぐらい。


簡単に言うと、最近やりました【TOV】。
だからって・・・・。

え〜?なにこれ?

「体…は、私に適応とか・・・え、マジで!?」

鏡を見て呆然とする。
まんまゲームの時のユーリの衣装を着た黒髪の人物が鏡に映っている。
だが、しかし。
露出した上部分は“見慣れた女性特有の胸”が見え、全体的に肉付きもやや柔らかい。


女体化してたー!!!!!!!!!!!


ただ、服にだぼつきが余り感じられないのは身長のみがそのまま――ということか?それとも元からこの姿がこの肉体では正しいのか。それとも洋服が体に合わせて縮んだとか・・・・・わからん。

どちらにしろ今のユーリは私が憑依したことにより〈女性〉になっていた。





これ、まずくね?







とりあえず、深呼吸だ!

現状確認をしたいと思う。

あせっても私の意識が“ヴェスペリアのユーリ”の中にあるのは事実なので、これからをかんがえないといけない。

ゲームをプレイしたとはいえ、あまり知識はない。
なにせまだ電源いれてプロローグいったばっかだよ!

「つか時間軸どこだ?ど、どう行動すればいい」

ふと、そこでとんでもない事実に思い当る。
もしこれがTOVではなく、TOW軸であったなら?
テイルズシリーズは、コラボものも多いので、そうだとしたらまた対処が違ってくるわけだ。
ちなみに自分としてはそっちの方がりがたい。
なぜならTOVはまだやってないに等しい(とはいえ他の世界にもあったので、そのとき蓄えた原作知識と呼べるものは少しはある)が、TOW係はひとおりやっているからだ。

(ここは本編か?TOW2と3ならクリアしてるけど、此処はアドリビトムじゃなくユーリの部屋っぽいしっ)

急いで自分がヴェスペリアに関するものを頭の中で整理した。
先程もいったが、ヴェスペリアは偏った知識しかないんだ。
TOWシリーズ(1を除く)はクリアするまでに至ったので、ヴェスペリアメンバーの大体の人柄と戦い方は頭に入っている…。
だが、あくまでTOWシリーズとしてで本編じゃ知識なしと言っていい。

「――よりによってユーリとかマジでどうしよう」

だって、そうだろう!?



彼(主人公)が動かなきゃ物語は動かない。





◆ ◇ ◆ ◇ ◆
 




色々調べ回った結果。
ここがユーリが住む下町で、どうやら本編が始まる前らしいという事が判った。TOWではなく、TOVの・・・。
トホホである。

僅かな知識だけど、本編の直後をたまたま観ていたのが幸いした。
……あくまでこの開始直後とジュディス加入からラゴウとのバトル&初暗殺くらいしか知識ないが。





で、なんや。かんやあり、流れ行くまま行動したら――ヒロインエステルと対面することになった。

ら。


――――指名手配されました。


きいてないよ!?
指名手配されてしまいました。テヘ☆とか、そんなシーンあったか!?いや!あったな!!!そこを私にまで適応すんじゃねー!!!

「…変装しよう。そうしよう」

ゲームの都合上というか(称号は別にして)ユーリは変装を一切しなかった。が、そんなのきにしてられるか!
追いかけられてたまるか!
ゲームにそこまでそわなくてもいいだろ!だって、私、女だし!

(ユーリ、ごめん)

っと、いうわけで、本物のユーリに心の中でじゃざいしつつ、私は服を変える方を選択する。
だって、ゲームと違って洋服はきちんと脱ぎ着出来るんだし。
指名手配食らった時点でやるよね!?普通だよね!?

「そういやP4で主人公に成り代わってるときは男装してたし、あれもまぁ変装というのかな」

今回はまた前提が違うけど。


「あ!」

まずい・・・このままエステルと旅したら、王族誘拐の流れ?じゃないかこれ。

ど、どうしよう(汗)





◆ ◇ ◆ ◇ ◆
 




さ、さぁー誘拐のことはひとまず置いておいて(乾いた笑)
現実逃避とか言うな。

とりあえず逃げよう。
そのためにはまずは、お着替えタイムである。



この世界では、ゲームではないためゲームシステムは関係ないようなので、防具は増やすだけ増やした。
まず選んだのはキッチリ鎖骨まで閉じられる服。ここ重要!
ユーリ本来の服で女の体だと、かなりセクシー系になるんすよ。
そうでなくともあの服のままでは目立つ気がする。
あと、あの服だと指名手配犯と被る。普通につかまりやすいよね。

そんなわけで、まず指名手配犯と連想されやすい黒い服はやめる。メインは白で統一していこう。
その後、防具兼胸当て、フード付き上着、右腕に盾代わりの籠手を填め、腰にポーチ付きベルトを締めて刀をさす。

鏡で全体的に装備をチェックして、髪型を何にするか悩み…効率でポニーテールにした。

(ベースはユーリのに近いが、それなりに重くなった気がする―――前閉じ効果どこまであるんだろう)

余談だが、この蒼い石が埋められた黒の籠手が唯一ユーリらしい色かなぁと思うと同時に、けっこう私個人的にも密かに気に入っていたりするんですよね。

エ「イメージが変わって驚いています。白も似合いますね。」

エステルは見たままの素直な感想なんだろう。
ありがたい。
とういか、ちゃんと彼女も変装させました。
あんな花びらのようなドレスのような衣装こそ目立つわ!

本来なら髪を染めるとか徹底すべき気もするが…サラサラでツヤツヤなロングを前にして、もったいない精神が働いてだめだった。
これで男とか羨ましいと思いますっ!!



そんなわけで変装完了っ!

おー、この姿凄いな。私今、普段のP4のときより女の子に見えるわ(笑)
ズボンなのに凄いなユーリの美貌www








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