有り得ない偶然 Side2
++ P4 ++




03. これってコスプレじゃね?続  眼鏡の真髄



黒縁のシンプルなフレーム

(コレが、あのメガネか)

クマに渡されたものは画ごしで見た通りのフォルム。
2度目のマヨナカテレビで、クマに渡された時に

(これで揃った)

と、コスプレ好きとして喜びがあったのは内緒だ。





** side 夢主2 **





「すげぇハッキリクッキリ見えるぜ。薄い霧がまるでないみたいだ・・・」
「・・・え?」

陽介が驚いたように喋る。

しかし

(おかしい)

私はメガネを外し周りを見渡す。

(霧が―――裸眼なのに、メガネをかけた時と同じようにクリアに見える)

そう今更なのだが

此処でも、私の眼の特殊さが発揮され、霧すら見通している。

(ゲームの、テレビのままだったから気づくの遅かったんだ。・・・・違う意味で伊達メガネになるのかな)

そういえば、クマが自分の眼はメガネと同じ機能のレンズがある状態だと言っていた。(この時点では未来の話だが)

(つまりは、私の眼はクマと似た状況な訳かしら)

と、メガネをかけた感想は何とも期待していた方向と違う結果だった。










*お ま け*
(だいぶ話が進行したある日の戦闘話)


「うぁっ」
「相棒・・・っ」「先輩っ!」

バツっとシャドウの攻撃によりメガネが吹っ飛ばされる。

本当、メガネが飛ばされるだとか実際の戦闘はゲームのようなのとは違うね。

カンっという音の遠さに、メガネを取るには結構な距離だと悟った。

と、その瞬間にも迫り来たシャドウの存在に、ほぼ咄嗟に武器を振りかぶる。

「うっらぁ」


『ゴッッ』

それは見事な音とともにシャドウにめり込む。
そして、続け様の勢いで振りかぶり連続ヒットさせた。(全力のため手が痺れた)





 ――戦闘後。


「相棒、メガネなしでよく正確にシャドウ打ち付けたな」
「てか、目がちゃんとシャドウを捉えていたような・・・あ、メガネです」
「ありがとう・・・たまたまだ」

ええ、バッチリ見ながらヤりましたとも。とは言えず、メガネを掛け直す。

(実に便利だな)

と、内心思った。








←Back U TOP U NEXT→