世界に笑顔を
- N ARUTO -



04.ミトナル式攻撃型封印術





 -- side オレ --





 うずまきナルト。
青い目に金髪。
前髪の一部だけ赤メッシュ
地毛です。

得意忍術は、封印術と医療忍術、時空間忍術。
螺旋丸?やってできないことはないけど、戦闘系の術はあんまり得意じゃない。
オレは生まれたときに、人を殺すことではなく生かす職業につこうと決めたんだ。

 生まれるとき、何があったかというと。
やっぱりうちはマダラが暗部を殺して登場した。
そのせいでもう死人はいやとか思ったわけだ。





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 生まれる寸前。
そこでやっとミニ九尾をオレの中へと移すときがきた。
やるべきことは二つ、まずはミトさんのチャクラの鎖をオレのチャクラに変換すること。
これでオレは九尾とつながったので力を借りれる。
あとは、どこからともなくでていた母ちゃんの鎖。九尾の身体に撒きつけていたかあちゃんのチャクラでできた鎖を断ち切ること。
すでに彼女と九尾の間にあった封印は解けているのだが、あれを九尾の身体に巻きつけておくことで、うずまきクシナに封印されているのと同じ状態になっていたらしく、"ミトナル式…(以下略)"を使用したあとも母さんの鎖を九尾にまきつけておいた。
ここでミトさんがその縁をバッサリ切ったら終わるだけの簡単作業のはずだった。
だけど問題が発生した。
ミニ九尾をオレがひっぱってそのまま生まれようとしたら――適当に巻きつきすぎたせいで、以前結び直した母ちゃんの鎖が酷く絡んでしまったのだ。
しかもキューちゃんの首がしまったりと色々事件があり、キューちゃんは物凄い苦しんでいた。
そのときの効果は、まさに原作で九尾が母ちゃんの封印を出ようともがいているときそのものだった。
涙を流してバタバタと暴れて、助けをもとめるキューちゃん。
さすがのオレも慌てて精神世界に戻ってミト師匠と一緒に最後の鎖を切るのを手伝った。
おかげで外にでるのが遅れてしまったがそれはしょうがない。

だけどギリギリ間に合った。

 父ちゃんはオレが生まれたことで、泣きながら喜び、一瞬気を抜いていた。
だから九尾がオレの中に完全に入ったのに気付かなかった。

「よし!クシナ!出産したばかり大変だけど…九尾を完全に押さえ込むよ!」
「うん」

そういってから、二人は物凄く驚いた顔をしていた。
いままで母ちゃんの中にあった九尾の存在が消えたことに、ようやく気付いたようだ。
オレはきたるべき瞬間のため、本来ならあくはずのない赤ん坊のオレの目を無理やり開く。

目線の先。
そこには面を被った怪しい男がいつの間にか立っていた。

ビワコさんとタジさんに、せまりよるマダラの手をみつけて睨む。

 ここまでくればオレの土壇場。
まだまだ話すこともできないオレは、心の中で九尾に声をかける。

『いくよキューちゃん!』
『人使いが荒いわい』
『今動けるのはキューちゃんだけなんだから。オレの代わりに頑張って!』

どうやらキューちゃんの声が聞こえるのは、オレとミト師匠だけのようで、こうやって話していても誰も振り向かない。
おかげで楽に術式をキューちゃんに託して、結界をはれた。

ビワコさんとタジさん、二人の側にマダラが近寄るよりも先に、体外に出た瞬間から二人には結界を張る。
案の定、マダラは知らずに結界に触れてきた。

バチッ!!

 なにかのはじかれる音。
それに全員が振り返る。

そこにいるのは、はかすかな戸惑いを見せたマダラの姿。
突然の仮面暗殺者に全員が目を見張るが、未来の様子を知っているがためにオレだけは一秒も無駄にできないと動いた。

 この瞬間を待っていたんだ。
タジさんとビワコさんの二人が、術か何かで殺されることも倒れることもなく、オレの結界はターゲットを補足して新たなる術式を発動させる。

『【死式・改】!!』

 キューちゃんから借りた力が体中にあふれ出す。
 前回キューちゃんにかけた封印は、封印の内側の相手からチャクラを奪うものだった。
今度のは逆。
結界に触れた、結界の外側の相手をターゲットとし、そのチャクラを根こそぎ奪う術だ。

なんだと慌てる相手が術を発動しようとするが、こちとら九尾の人柱力。
一度車輪眼であやつられたキューちゃんも"あいつ"のその対処法を知っている。
だから一気に力を込めた。

ぐわぁ〜!!と以前のキューちゃんみたいな叫び声を上げたマダラの周囲に文字が浮かびああがり、螺旋状に禍々しい光が彼のうちから外へとあふれ出す。
キューちゃんのチャクラは赤かったけど、対外に放出されていくマダラのチャクラはなんとも言いがたい色だった。
そのまま光は回転を続け、マダラを縛り上げると、彼の身体へと染み込んで消えていく。
それとともに悲鳴も小さくなり、マダラはくたりと力をなくして倒れた。

『わぁお。いたそ。人間じゃぁ絶えられないだろうね〜』
『普通は死ぬわな。できればその封印術、改良した方がいいぞ』
『そういえば、マダラが影だったらどうしようか?あいつかなり慎重だろから、これも絶対本体じゃないって』
『…主よ、忘れてないか?』
『なにを?』
『お主らの作った【死式】シリーズ。あれ、全部魂に直接来おるんじゃぞ』

 四段階の肯定を踏むので、四式。それをひねくってつけられた【死式】シリーズという名称。
オレでさえあくどいとは思うけど、相手のチャクラでもってチャクラの本体を攻撃し、そのチャクラを奪い続ける術。
これはオレとミト師匠が作り出した究極新忍術"ミトナル式攻撃型封印術"の大本で、封印術と結界術のまぜあわせのくせに攻撃性がある。

 ちなみにオレは気付いてなかったんだけど、【死式】シリーズの光がなぜ体の中に染み込むかのように消えるかというと、実はそれにもわけがあったらしい。
なんと術式が肉体を超えて魂に染み込むために、体に吸い込まれるように見えるらしい。
オレは九尾を封じるために【死式】シリーズを作ったが、そもそもこの術は精神世界で作ったため、はじめから肉体に作用するようにはできていなかったとか。
精神やら魂ばかり相手にしていたせいで、術の対象はいつのまにか魂になっていたらしい。

『し、知らなかった』

つまり【死式】シリーズは、肉体ではなく魂を直に攻撃する凶悪な術――ということらしい。
このシリーズにおける結界や封印術は、ターゲットたる座標を確認し捕らえるためのおまけのようなもの。
やっぱり一番は攻撃でした。

さすがは"ミトナル式攻撃型封印術"と名付けられただけはある。
創ったオレがいうのもなんだけど、物凄く悪どい攻撃だねコレ。


『あーあ。こりゃ、本体のマダラも死んだね』
『だろうのう』
『もしかして普通の人間なら、結界につかまったらもう逃げられなくて死ぬしかない?』
『普通はチャクラがぬけていくと体が動かなくなるもんじゃろう。
さらにあの術式。
ワシにかけられた【死式・環呪封】は、ワシ自身のチャクラを使って圧縮封印術をかけ続けるというもの。
封印術内ではチャクラが循環し、ワシの中に戻ってくる。っが、それによりさらにワシからチャクラを奪って封印が働くので、循環しつつも封印術が半永久的発動されるというわけじゃが、こんなこと普通の人間なら間違いなく死ぬ。
なにせ散らした自らのチャクラを吸収する能力がないからの。
それにくわえて、マダラに向けられたのは【死式・改】。あれは【死式・環呪封】とは違って、放出したチャクラが戻ってくるわけではないからのう。
確実に死んでおるじゃろう』
『…なむさん』





 そういうわけで。
オレの予想を上回る威力を発揮してくれたオレの悪名高い術式により、強敵うちはマダラ氏はお亡くなりになりました。

転生しても、人の死にはなれないね。
と、いっても。マダラさんの"影"は、術が本体に戻り魂が消滅した時点で消えているので死体もないですが…。
ぶっちゃけ、どうしてオレの転生する世界はいつも命の危機が身近なんだろうって本気で思う。

『わりきっちゃいるけど、やるせない』
『…お主らしいな』

 キューちゃんが精神世界で笑っていた。
どこかで、「ならば命を救う医療忍者になればいい」という声が聞こえてきて――それもいいかも。
そう思ったところで、赤ん坊のオレは力を使い果たしたためか、まぶたか閉じて夢も見ない眠りに付いた。

とりあえずお疲れ。
ねむっ…。








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