00.神に鯖を。紙に裁きを? |
-- side オレ -- かなえてください神様。 ねぇ、神様。 オレの願いはささいなことです だから叶えてください お願いします ねがうことはひとつだけです “無干渉” 死にそうだったらそのまま静かに死なせてください 生きていたら、生きたいと望む限り好きにさせてあげてください 神様がいるのなら オレにはかかわらないでいいです あるがままにオレは生きたい それだけなんです だからどこかの二次創作の様に転生得点や、原作への介入なんか望んでません 望むのは平凡 原作キャラクターとは会うことがありませんように 主人公たちが呼び寄せる事件やイベントに巻き込まれませんように これ重要です そうして『普通らしく』世界に生きて 料理して、家族に食べさせてあげて「おいしい」って言ってもらうんです やさしい伴侶がいて、可愛い子供と孫がいて、まったりとしたジジイかババアとしての老後をむかえさせてください 望むのは、それだけです そう、オレは散ることを前回の死の間際に祈ったはずだが・・・。 っが、しかし。 また転生したし。 生まれたし。 また記憶もあるし。 あげく前世の能力を引き継いでいて、余裕で人のオーラがみえるわ、機械がオレの意思で勝手に動いちゃうし。 それだけでもはた迷惑なのに、今度は家族問題発生。 一度目の人生以外では、オレには家族がいなかったり家族長最悪だったりしたので、家族が欲しかった。うれしいことに今回の両親は優しくて、家族っぽくって、幸せだなぁっと思っていた。 しかしその幸せはあっけなく五年目でおわり、オレが五歳の時両親ともに事故で死亡。 なぁ、オレって原作ブレイクとか原作介入とかかんがえていない一市民希望してる無害なやつじゃないか。 願いだって、部分相応で、おだやかな老後だぞ。 それがどうだ? どこいったおれの夢は!? 答える声はないけどわかってる。 どうせ今回も原作の近くなんだろ!? とりあえず生まれえしばらくして、オレは日記をつけることとした。 まずはじめに書くことは、オレがここに至るまでのこと。 えーっと…。 今回で何度目の転生だったかな? そう。オレは転生者だ。 もう何度もいろんな人生を経験している。 記憶が正しければ12回目だな。 その12回分の記憶がしっかりオレのなかにある。 ―――1ページ目。 神様をなぜ「様」付して呼ばなければいけないのかという疑問について。 ―――2ページ目。 神へ愚痴をかく。 ―――3ページ目。 もう紙が無駄になるので普通の愚痴と日常をかく。 ―――×××ページ目。 そろそろ書くのに疲れた。 ―――××○ページ目。 今日の夜ご飯はカレー。 ―――×□△ページ目。 今日は鯖の味噌漬け。 ――― ページ目。 ――― ページ目。 ――― ページ目。 ――― ページ目。 ・・・・・ ・・・ ・・・ ・・ ・ . ○月△日 今日は包丁のきれがわるくなった。 せっかく刺身にする予定だったのに。 庖丁を研いでおこう。 パタン。 オレの日記は続く。 とりあえず今日は、このあたりにして日記を閉じる。 オレを巻き込む気なら、とことん覚悟しやがれ神よ。 オレはどこまでもあがいてあがきぬいて好きなように生きる! 仏か神だか知らないが、オレをこの世界に送り込んだやつ顔出せや、顔を。 オレが三枚おろしにさばいてやんよ!! そうだ。今日は鯖の刺身にしよう。 |