01.恋するにはまずは親を倒してから |
[アニメより] 第268話「監察の恋は観察から始まる」 ---------- 山崎退。 観察レポート。 張り込み生活1週間目。 今日も万事屋に動きはない。 -- side 夢主1 -- 近「ぎゃぁぁぁ!!!ナニコレ!!あいつどうなってんの!?仕事してないじゃん!とちゅうからタマさんとタマ○んの観察しかしてねぇじゃん!!」 うちの銀時が元攘夷志士だということで、他の攘夷志士と接触しているのではないかと、観察がおかれることとなり、山崎がここしばらく万事屋のみはりについていた。 のだが。 あまりに銀時が行動しないため、万屋を陰ながら見張っていた山崎の方が気がふれて変になってしまったらしい。 1か月の張り込みを終えて戻ってきた山崎の報告書は異様なおどろおどろしい空気を穴っていた。 渡された報告書を読み、かかれていた内容に近藤さんが絶叫をあげて手放した。 落ちたそれを拾って読んでみれば、思わずオレも落としかけた。 内容は銀時への愚痴とか、自分が何者かとか、仕事への不満。 しかも途中から山崎の報告書が〈タマ〉の観察日記にすりかわっていて、しまいには「タマさん」と彼女の名前だけがかきつらねられていた。 観察ノートから異様な空気があふれていた。 鬱からそのままストーカーかへ転向したか。 そういうやつほど執着心が凄そうだ。 やだなぁ、真選組からついに近藤さん以外にもストーカーがでたとか。どうすんだよこれ。 土『近藤さん、おれたち警察なんてやめて、ストカー予備校でもはじめるかぁ?あ゛あ』 近「おい!一緒にすんじゃねぇよ!俺はこんあサイコなストーカー行為はしません」 そう近藤さんは叫ぶわけだけど。 ストーカー筆頭が何を言ってんだ? 本当になぁに言っってくれてんだろうね、このひとったら。 すでにお妙からストーカー被害による苦情が何度出されたことか。 立派なストーカーじゃん。 なら、近藤さんも山崎求める方法・・・。 ひとつしかないな。 土『これじゃぁ見張りどころじゃねぇ、恋愛禁止令を出して隊のひきしめを』 近「なにどさくさに俺の恋路までつぶそうとしてんのぉ!」 っち。近藤さんのストーカーもやめさせようとしたのに気付いたか。 まぁ、いい。 土『だってそれが一番手っ取り早いだろ?』 近「自分はもう彼女いるからってぇ!!自分には関係ないみたいな顔して恋愛禁止令って何よ!!!」 叫ばれてもいるもんはいるんだから今更どうしようもないわけで。 ストーカーなんてやめてまっとうにおつきあいをすれば、近藤さんだってもてただろうに。 あーあー、残念だよ。 土『実際問題、恋愛禁止令出されようとオレには関係ないからなぁ。 恋愛とおりこしてすでオレ、でっかいこどもいるしー』 近「このリアジューが!!!!」 土『うだうだうっせーなー。じゃぁ、あんたがなんとかしてくれ』 近「え」 土『ストーカー同士気持ちがわかるだろう。 あ、そろそろオトメさんとデートの時間なんで。それじゃっ!』 近「おいおい、まって!トシ!! 俺にやつの恋路を邪魔させようってのか!?いや無理無理!だってこれ黒魔術とかつかってくるよ!ザキとかつかってくるよ!トシィー!!」 その後山崎の報告書は、暗黒魔術をつかっているような異様なオーラを放っているため、化学班が部屋に押しかけた。 人の怨念って怖いなぁ。 ********** なんでこうなったのかね? 土『総悟ぉ、お前さ万事屋になんか言った?山崎が前よりさらにおかしくなってんだけど』 沖「ああ、二人がうまくいけば、山崎は一生おれに頭が上がらなくなるってぇ話と、お見合いするから銀の字たちの分の高級懐石料理を新鮮組もちで出してくれって話でさぁ」 総悟の指示で、タマと山崎とでお見合いしないかということになった。 真選組と万事屋が縁者になれば、ことがうまくいくんじゃねぇかってことになったらしい。 そのせいか、ストーキングしていたときよりはるかに山崎のテンションがおかしくなっていて、あいつ、最近仕事失敗してばかりなんだけど。 っていうか 土『そのお見合いの席費用だれがだすんだって?』 沖「真選組(おれら)でさぁ」 土『・・・・・・』 自分の息子の結婚話さえなく、祝言もない。お見合いもない。 高級料亭にいい着物を着ていくときは、きっと銀時の祝言の時!とか思ってたんだけど。 なのに、それより先に、部下のためにって。 部下のために高級料亭予約・・・しかも経費で出せと!? はぁーなんというか、人生って甘くないよなぁ。 ********** っで。 お見合い当日。 銀「どーも本日は御日柄もよく」 なぁんて銀時があいさつをはじめたとたん、開け放たれた縁側のむこうで、大きな音を立てて雷が光った。 雷は鳴っているし、今にも雨ふりそうだし。 洗濯物乾かなそうでやだなぁとかおもってしまうような、どこからどうみても最悪の天気。 あいさつしてるけど、お日柄なんかよろしくないからね。 部屋には、お互いに一張羅を着込んだご両家が見合うように机を挟んで座っている。 オレ・近藤さん・総悟。 向かい合うように神楽・銀時・新八がいる。 料亭の玄関先に「万事屋、真選組 ご両家」って看板がはられてるのみたときの、オレのゲンナリ感。 だれか代わりに説明してくれ。 沖「副長、しっかりしてくだせぇ。目がうつろですぜ」 近「そうだぞトシ!今日はよき日!そんな辛気臭い顔すんじゃない!」 土『曇天だよチクショウ!思うに自分の息子を前に、なんで見合い?え?なに?これってオレ、自分の息子とお見合いすんの的なこの雰囲気何!?なんで万事屋と真選組の縁談って名目にしたし!?山崎家とタマ家、お登勢あたりの苗字名義で縁談しろよぉ!!』 楽「あらら。落ち着くねシロウ」 沖「そうですぜ。あんたの見合いじゃないじゃないっすか」 土『それでもなんで部下の見合いに自分の息子の顔見ないといけないの!?なんか違和感半端ないよコレ!?』 銀「父ちゃん、互いに自分の部下のためだと思ってさ。おれとあんたじゃねぇーから!俺も結婚相手はちゃんと選びたいから!真選組なんかに嫁ぐ着ないからね!!!」 新「うわー・・・山崎さんがお見合いするのに、なんか土方さんの精神的ダメージの方がきいてるみたいですよ」 楽「したかナイネ。銀ちゃんが早く嫁っここさえないから、銀ちゃんのパパ、息子より部下が先に結婚するのにダメージうけたネ」 たとえばこの段階ですでにオレの目が普段の銀時舐めに死んでいたとしても、仕方ないと思うんだ。 うん。 なんか場違いじゃね?オレ。 土『あのぉ、ひとつうかがってよろしいですか?』 銀「なんでしょうか」 銀とオレでプチパニックおこして同じようなテンションでギャーギャーと騒いだ後、双方の連れに抑えられ、落ち着きを取り戻した後おそるおそる聞けば―― 銀「しらね」 スパっと銀時に言われました。 本当になにがどうしてこうなった? 頭痛を覚えて、とちつめれば、万事屋側は話に乗っただけで、こちら側(というか総悟)が縁談を持ちかけたらしいと知る。 土『おい、総悟どういうことだ?山崎の狂信的な恋愛ごっこをなんとかしろと言ったんだぞ』 沖「しりやせんよぉ。おれは山崎を仕事に集中させろといわれたから、女と所帯持って落ち着かせようとしただけでさぁ」 つまり原因は総悟のとっぴな発想にあったわけで・・・。 土『はりこみ先に婿入りする観察なんてきいたことない』 近「まぁまぁおちつけトシ」 落ち着いてはいるんだよ土方さんや。 飽きれてるだけで。 近「潜入捜査みたいなもんだと思えば。婿として連中のふところにはいりこめば情報を得やすい。俺もいざとなったらお妙さんのふところに飛び込んで援護するから」 ボソリとささやかれた近藤さんのセリフに、お多恵さんからまた苦情が着そうだとツッコミ返す。 土『あんたのは本当の懐だろうが!っというか、そんなことして万事屋を探るなら、万事屋にいりびたってるオレが内情暴露した方が早ぇよ!!』 そもそもなんで真選組(おれら)って、万事屋はりこんでたんだっけ? オレ、猫の姿の時かなりのひんどでいりびたってるんですけど。 万事屋の動向知りたいなら、オレに聞けよって思わない? そんなことをコソコソ話していたら、バサっと音が響く。 なんだろうかとそちらをみやれば、机を挟んだ向こう側で、銀時が扇を広げて仰いでいた。 銀「おい、なにをごちゃごちゃ言ってるんだね?こっちは、うちの看板娘がほしいっていうから、忙しいところ来たんだよ」 と、言ってくるしまつ。 そのまま神楽がお母さん役で、銀時が父親役で、なぞの会話が進んでいく。 そのなかに、ちょっとどうしようもなく気になる単語を連発されて・・・・・・ オレの感性にきちゃいました。 だけどいろいろ話している間に、白い着物に身を包んだ山崎と、綺麗な青い着物を着たタマがやってくる。 いじくられる山崎。 それをボーと聞きながら、先程の単語を思い返す。 土「いやぁ〜綺麗な御嬢さんで。山崎、お前なかなか目の付け所があるじゃないか」 銀「手塩にかけた自慢の娘ですからね」 うちの看板娘。 自慢の娘。 かんばんむすめ。 手塩にかけたうちの娘。 うち・・・の? うちの、娘。 ってことは、銀時の娘? ってことは、オレの孫? タマってオレの孫だったの? え。そうだったの。 なら、しっかりできる奴と所帯持ってほしいなぁ。 銀時じゃぁ、タマを養えないだろうし。 かといって、最近の山崎を見てるとちょっと・・・。 仕事率低下してるしなぁ。 ――そこまで考えたところで。 新八や総悟に謎のチェックをされてはダメダシをされている山崎をみて・・・。 土『タマ!』 ガシ!と彼女の手をオレはつかんだ。 銀時や山崎やらがギョッとした顔をするなか、「どうしましたか?」とタマが首をかしげる。 それにやっぱり山崎はダメだと思ってしまう。 土『だめだタマ!結婚なんかまだはやい!』 「「「「え」」」」 タ「?意味がわかりませんが?」 土『オレとしてはタマが、できる有能カラクリ家政婦なのはわかってる!わかってるからこそ。こんな結婚だめだ!認められない!!有能なお前にはそれこそいい見合い相手なんて選び放題だ!ちゃんと仕事ができて、あんたさえも楽させてあげられる相手と結婚してほしい!!』 「「「・・・・・・」」」 山「ふくちょぉ・・・」 新「土方さんあんたどっちの味方だよ!?」 銀「部下より敵を取るとはアッパレだ」 楽「チガウネ。シロウはただの家族バカアル。身内びいきだからもとからこっち側アルよ」 近「トシィ・・・」 沖「なるほど。わかりやした。 土方さん、いまの心境を一句」 土『え。孫娘をちゃんと仕事もしないヘタレに売り渡す気分?』 「「「「・・・・・・・」」」」 言いたいことは言ったので逃げないようにつかんだ手を離し、タイミングよく運ばれてきた料理を自分の分の取り皿片手にとって食べる。 なぜか全員が固まったまましばらく微動だにせず、オレだけが箸を動かしもしゃもしゃと食べていた。 しばらくしたら大喰らい娘な神楽が、流し込むように食べはじめ、そこでようやくみんなが動き出す。 途中、なぜかタマの料理話が、みんなのゲ※ネタでうまり、はしたないなぁと銀時近藤さんを殴っておとなしくさせた。 土『食べものを粗末にするんじゃありません!!!』 そこでタマが席を立ってしまう。 残ったゲロをどうすんだとおもっていたところで、ふと時計を見やれば、けっこう長居してしまったらしい。 土『あ、そろそろモモエさんとデートだから。オレ、帰るわ』 銀「も、ももえぇ!?待って!!モモエってだれ!?そんな何十年前のアイドルみたいなそんな名前の女の子ぉ!!まって父ちゃん!再婚は認めませんよ!!この年になって俺は継母なんかいりませんからね!!!」 土『嫁はひとりでいいわ』 楽「へぇひとりはいるアルか」 銀「相手はだれだー!!」 近「じゃぁ、あとは若い二人で!」 部屋を出れば、再婚はやめろ!と、死ぬほど必死な様子で銀時がついてきた。 オレの知らない間に妹とか弟とかつくらないで!とすがりつくようにして言われたが、ただのデートだ馬鹿者が。 そのあとは、オレの後をついてくるように、総悟と近藤さんがついてきて、オレに張り付いて離れない銀時をはがすために新八と神楽まで部屋を出てきた。 近藤さんが気をきかせたので、どうやらオレたちはこのまま撤退しても問題なさそうだ。 銀「継母と弟妹が猫はいやぁ〜!!!」 土『おまえ、さっさと結婚して身を固めたら?』 銀時がしがみついてくるから歩けず困っていたら、ほぼまじ泣きしそうな顔で再婚はやめてくれと訴えられた。 独立して一人暮らししてるんだから、もう別にオレのところに家族が増えて問題ないだろうと思うのだが。とはいえ、これ以上子育てする気もないので、弟妹が増える予定はないのだけど。 とりあえず 土『あ、そこの女中さんや。あそこの部屋だけど、代金領収書で。時間はまだあったよな。若い二人がまだいるんで時間ギリギリまでいさせてやってくれ』 綺麗好きなタマのことだ。 あのゲ※な惨状の部屋をみたら、放置するなんてことはないだろう。 あとで、時間内に片すように電話しておこう。 証拠隠滅って重要だよね。 |