犬な神様の放浪記
- 大 神 -



01.犬畜生に転生したと思ったら神様でした





死んで起きたら今度は犬でした。
この世界は時間がゆっくり流れますね。
もう9年ぐらいたってませんか?
オレ、子犬ですよ。
わっふぅ〜!
真っ白な犬です。
なんかおとんと同じで赤い模様があるけど。
とりあえず人間じゃなくなっちゃいました。





 -- side 夢主1 --





とうさんは歩くたびにフワリと花のにおいがするひとだった。
ひととはいうが、みかけは犬だ。
大地をかければ花が芽吹き、飛び上がると花びらが舞った。
自分たちの力を使うには筆の力が必要だといわれ、馴染んだ墨に力を通わせて、それで遊ぶのが楽しかった。
でも「いってらっしゃい」のその一言だけで、とうさんに投げられた。
気付けば知らない場所にいて。
そこはさっきまでいた場所と違って、空気も重くていやだなぁって思った。
だけど、でもこの世界にはとうさんの匂いがあちこちしたから、こわくないかもと思うことにした
この世界には、とうさんもいつか来た場所なんだって思えば怖くなかったから、「まぁいいや」って気持ちになって――オレは寝た。
だって眠かったんだもん。

だけどね。
しばらくしたら、耳元で騒ぐ声が聞こえて目が覚めた。
なんだろうと思っていたら、光る虫がいた。

なんぞやこれ?

話を聞くと、この世界をあの駄犬ことうちのおとんが救ったらしい。
え。あの昼寝魔人なあのアホでゆるいワンコなとうさんが?
まじで。

しかもなんと、緑の光る虫や、きれいな姉ちゃん “さくやさん” が、とうさんをしっていた。
やだあの親父。世界を救ったなんて偉業を成し遂げたのなら先に言えよ。ってか、なに?あのひとあんな無表情無口でよく仲間とかできたね。よく旅できたね。よくコミュニケーションとれたね。コミュ障のどこか抜けた天然なのに。

てか。
プリーズワンモア。

な ん だ っ て?

え〜!?いまからあのごっついのとおれがたたかうの?
ヤマタノオロチ?
なにそれ?
どの首と会話すればいいのさ。首八本もあるよ!!
え?世界の危機?
親父がアマテラスならお前もできるからあのあくどいのぶっとばせって?
てかそのために下界に落とされたの?

まじで?
言えよ!?

本当に口下手な親父なんだから迷惑な。
てかね。今更はじめて知った事実があるんだけど。
とうさんはアマテラスというらしいよ。
たしか日本神話のアマテラスって女神だよね?カマか!?あ、いやりょうせいぐゆうってやつか?たしかゴジラもそうのはず!
つまり?
すげー親父。
おれどうやってうまれたのかしらなかったけど、とにかくとうさんすげーんだな。ってのは理解した。

あと眠いから寝てもいいかな?
え。だめ?

そんなこんなで。なぜかオレは、世界を旅することとなった。










チビテラスがアマテラスより人間くさい
そう、ゲーム製作者が語っていましたねぇ
その理由って知ってますか?

そんなの

オレが成り代わったからに決まってんだろ(笑)








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