有得 [アリナシセカイ]
++ 字春・IF太極伝記 ++



【太極伝記】設定集
本編では登場していない人にも何人か設定があったりします。
ここまで世界観をねったので、せっかくなのでのせておこうと思う。



<世界観>

【栄華の時代】
・時代は魔法と科学が融合した近未来
・当時は陰陽は平衡を保っていた
・科学のなかに陰陽の力も混ぜ込んで発達したので、もはや魔法のようなものも普通に存在していた
・魔法も科学も混然いったいになった世界
・魔法は科学、魔法人はプログラム言語
・魔物のたぐいや、不老不死の種、獄族という種族はいなかった





《陰陽の力》
・空中に漂う原子のひとつとして認識
・陰陽の力からなりたつと判明後、陰陽の力の研究は時代を超えても常に行われていく
・"陽"の力は、対等の代償を払うことで術が発動したのに対し、"陰"の力は代償もなく力を使えることが可能だという認識だった
・人間たちはしらないが、"陰"の力に代価がないのではなく、体に蓄積していってるにすぎない
・"陰の力"だけを使えれば楽だが、"陽"の力と性質が違いすぎるため、それを使いこなすのは不可能だった
・少量でもとりこめば、元来より魔法の発動にかかる代価(魔力量)が軽減されることがわかり、 しだいにこどものうちに外部から陰の力を摂取するのが当たり前となる
・ただし陰の力は、要領をオーバーして取り込みすぎると循環されず、溜まるだけ
・陰の力は使えば使うほど、世界に満ちる力の比重も傾いていく
・原子であるため、量が集まればやがて眼に見える状態になる。陰の力は黒い光、陽の力は白い光として視認できるようになる

《陽の力》
・使い勝手が悪い
・つかってもたまらず消化されるが、扱いが難しい

《陰の力》
・つかいかってがいい
・代償なしに願いをかなえるとされた
・使えば使うほど身体にたまる





【崩壊の日】
・世界が一瞬で、陰の力に飲まれた日
・力、権力、栄光を望んだひとりの科学者によっておきたとされる
・陰の力に傾いていた世界がいっきに陰の力であふれた
・この日から何年も太陽が出ず、世界は目に見える陰の力におおわれ、地上では植物も生きもなくなった





【“栄華の記憶”】
・世界が崩壊する前の記憶のこと
・第二世代は、生まれる前のこの記憶を持って誕生する





 


<月野王国>

【月野王国】
・旧、ヤマト領
・崩壊の日より前は、季節の四季がとっても美しい地として有名だった
・東の太陽の昇る地にあるとされる大国
・長く獄族と人が共存し、両儀を取り戻そうと研究を続けてきた
・つい最近まで第一世代がかなり生きていた
・この国の獄族は人のように感情豊かで、穏やかな気質のものが多い
・国民の気質なのか、突発的に大規模なお祭りが発生する謎
・"大陸"の住人からは伝説かただの噂だと思わられている。それほど遠い場所にある島国
・現在は地殻の変動などのせいで、シマは三日月のような形をしている
・基本的に残った第一世代の獄族は研究肌
・政治をになう上層部では、貴族と平民で派閥がある





【月野家】
・月野王国の王族
・とっても愉快な血筋で、とにかく人格的に素晴らしいが色んな意味で愉快な一族
・王族の数代に一人は脳筋が現れる謎の家系
・「国を治めるべくきちんと民を知るべし」と、王位を継ぐ前か成人する前の王族は旅にだされる
・歴代王は、〈朏ゆづる〉と契約を結ぶ
・民との距離感が異常に近く、気付くと一緒に交じって遊んでいることもしばしば
・能力を重視するため王族はあまり階級を気にしていない





【睦月家】
・月野王国一の術者の家系
・国の権力争いの要で、力の強さを誇る貴族と能力のある平民とで派閥ができていて、睦月家がなくなると二つの派閥が衝突することになるといわれるほど
・いちおう貴族階級。だが、とにかく貧乏のせいで平民に好かれる
・なぜかきらびやかな容姿の者が多く、身なりを整えればどこかの王族と間違われること必須
・研究にばかり興味と熱意をたぎらせる家系のせいで、常に財政難
・隣のドーナツ屋には人の住んでるお化け屋敷と言われ、営業の売り上げが悪くなるからあの屋敷を何とかしてくれと日々苦情がきている
・睦月家は術師の家系のため、家の者は獄族と契約を結ぶのが必須となっている
・契約した獄族はとても人間臭くなり、とても世話好きになり、とてもお掃除上手になる





 


<種族>

【獄族】
・なにかしらの生物の肉体や物質に、陰の力がはいりこんでうまれる
・器によってもちえる属性や能力は変わる
・陰の力でできている
・傷は世界に陰の力が満ちているので、ある程度すぐに治る
・陽の力を内にまったくもたないので、陽の力で傷つく
・死ぬためには、肉体を維持する以上の力を取り込んで自爆するか、陽の力で消滅するしか死ぬすべはない
・生まれた当初は子供の姿をしているが、利便性を考えてか彼らに赤ん坊という時期はないとされる
・あるいていど成長すると、そのまま成長は止まる
・年月が経っても肉体は常にとまったピーク時のまま
・人間の協力(札)があれば光の下でも問題なく暮らせる
・この契約の際の『札』は、陽の力で契約した獄族の周囲を覆う形で、害となる自然界にある陽の力を遮断してくれている
・人型をしているのは、これ以前の獄族たちの記憶が世界のあちこちにのこっていて、その残滓を無意識に読み取った“陰の塊”がその姿を模倣した結果


《第一世代》
・元人間
・崩壊の日に空から降り注いだ“陰の力”を大量に浴び、肉体が変質。不老不死になった
・光、陽の力に弱い
・元から陽の力も持ち得ているので、光を浴びると火傷をする程度。ただし日光を長時間あびていなかっため、やはり陽の力に弱い部分がある
・過去の栄光にすがり“願い”を残して、気が狂って自滅していった
・死後、肉体が残った


《第二世代》
・通称「鍵の獄族」「両儀の鍵」
・もっとも重い業を背負い、かつ世界に愛されたこどもたち
・世界が闇に飲まれた直後に生まれた種族
・第一世代の“願い”を〈核〉に、純粋な陰の力だけで肉体を得て誕生した
・壊れた世界を復興するための鍵たる存在
・第一世代や人間たちの願いをかなえるのが存在意義であるために、崩壊前の記憶を生まれながらに伴っている
・“記憶”を生まれたときからもっているため、博識で、感情もゆたか
・光あふれる世界が広がっていると期待に目を開けると、そこは暗闇と嘆きだけがあふれる世界で、生まれた次の瞬間に絶望に見舞われる
・“栄華の記憶”をもっているせいで、本能的に魂が光を求めてしまう
・生身の肉体がなく陰の力のかたまりであるため、第一世代よりも光や陽の力に弱い
・ちょっとした光でも肉体が消滅してしまう
・再生力はすさまじい。他の獄族よりも治癒力が高い
・血はでるが、体重や味覚はない
・死後、肉体は残らない
・太陽が戻ってくるまでにほとんどの第二世代が気が狂い、太陽が出たときには本能のままに歓喜し光に飛び込んで(まさか光を浴びたら死ぬとはだれも思っていなかった)死んでいったものが大半で、 ほとんど生き残ってはいないとされる
・人間たちの希望が形をとった存在なので、世界は第二世代を「人間の本心」とし、彼らを基準に人間の存在意義をはかっている。
そのため第二世代が一人残らず死んだ場合、世界は人間を見放す。この場合、両儀は二度ともどらない
・世界は第二世代を溺愛(というか憐れみ?)しているため、第二世代の子が人間たちにより精神を壊されたりしたら、そうした人間をゆるさないので天罰が下ること必須


《第三世代》
・「守護の獄族」
・なにかしらの生物の肉体や物質に、陰の力がはいりこんでうまれる
・闇の閉ざされた世界で太陽がでて、その段階でほとんどの第二世代が死んだ後に、世界によって少なくなった第二世代を守るためにつくられた存在
・“栄華の記憶”も〈願いの核〉もないので、純粋な陰の力でできている
・ちょっとした光程度だと、世界にあふれる陰の力のおかげですぐに再生するのでただの火傷ですむ
・個体差によるが、光をあびても傷さえつかない強者もいる
・第二世代やこれ以降の獄族たちとは、一線を画す。それほどにとんでもない強い力を持っている
・すべては第二世代を守るため
・力の強さは、自分の主たる第二世代の業の大きさに比例している。第二世代が“願い”を叶えることができるよう、それを補佐するためにそれだけの力を与えられている
・肉体の再生が人よりは早いし、治りも早いが、第二世代ほどではない
・“記憶”がないため、光を望む本能もなく、生まれたては感情はあまりない
・感情は乏しいが、自分の主たる第二世代には本能でなつく
・主(第二世代)至上主義
・自分の第二世代を守ることが存在意義。第二世代の願いの成就への道こそ背負う業


《次世代》
・なにかしらの生物の肉体や物質に、陰の力がはいりこんでうまれる
・“記憶”も〈核〉もなにもない
・人間や第二世代のような深い感情はもちあわせていない
・長く生きると自我が芽生える
・肉体の再生が人よりは早いし、治りも早いが、第二世代ほどではない
・ちょっとした光程度だと、ただの火傷ですむ
・少しであれば、陽の力をあびても平気





 


<人物紹介>

【弥生はる】
・第二世代
・季節の春を望んだ願いより生まれた
・世界にこわれて生まれたため、"栄華の時代"の記憶を持って生まれた
・なおファウスト博士の生涯の記録をすべて引き継いでいる
・生まれたときから傍にいた第一世代の獄族に、感情やたくさんのことを学んだ
・世界に光が戻ったとき、嬉しくてかけていこうとした自分をとめ、 身代わりになって光に焼かれ死んでいった育ての親である獄族の「死ぬな。生きろ」という言葉のせいで、気が狂うこともできず長い年月をただただ意味もなく生きていた
・人の傍にいたくて、けれどそれもままならなくて、いつしか人間を避けるようになった
・ひとりはさびしい。孤独はきらい
・自分と、その後に生まれた獄族は存在意義や在り方が違うな。と理解している
・温かい「春」というイメージからか、春をしらせる暖かな風をまとい、花を咲かす能力を持つ
・契約者は〈はじめ〉
・己の第三世代は〈しゅん〉


【××】
・第一世代
・陰の研究をしていた研究者の一人
・世界を壊したきかっけとなった研究者とは友人だった。
・友人を止めることができなかったのを悔いていた
・友人の最期を目撃している
・崩壊の日の瞬間、ことが起こっている場所が友人の研究所だと知った××は、慌てて駆けつけるも何もかもが間に合わなかった
・何百年も両儀を戻すための手掛かりを探していた
・〈はる〉がうまれた瞬間に出くわした
・〈はる〉の“記憶”をもとに、地上の残った研究施設を回ったりもした
・地下に逃げ延びたらしき人々の痕跡を見つけ、人類が生きていてまだ希望はあることにほっとした
・いつか人類が地上に戻ってこれたときようにと、〈はる〉に“記憶”よりも詳細な研究施設の扱い方、自分が知る限りの知識を教えた
・光がもどった日、〈はる〉をかばって死亡


【ファウスト博士】
・陰の研究者
・崩壊の日の原因
・力、権力、栄光を望み、欲にとりつかれたあげく人間では制御できない陰の力を世界におろしてしまった――と、おもわれがち。
・一気に取り込んだ陰が共鳴し、世界中に満ちていた陰の力が彼のもとに集結してしまったのが崩壊の日の原因
・不老不死どころか、世界をおおいつくす規模の陰の巨大な力に飲まれ人型さえ保てず消滅――そのときの無念の感情が〈はる〉を生んだ
・最期の瞬間を××によって目撃されている
・本当は口下手で、気が弱い
・大切な人が、使いすぎてたまった陰の力のせいでふせっているのでそれをどうにかしたかった
・臆病者だが、大陸の外の島国にも友達の研究者仲間はいた


【しゅん】
・第三世代
・〈はる〉の守護者
・“春”に育てられたので、普通の獄族よりは感情豊かで、人間の考えたも一応は理解している
ただしあくまで「いちおう」。
・たぶんなにかあったら世界や人間より〈はる〉を選ぶ
・〈はじめ〉のことは、〈はる〉を守るために必要な相方という意味で対だと思っている
・契約者は〈かい〉


【朏ゆずる】
・第二世代
・月野国の継続、繁栄。その願いから生まれた
・滅びゆく世界で、それでもなおこの地で生き残った者たちが、安心できる地であるように。 次世代へこの“ち”(血、地)をゆずり、引き継がせることができるように。人々がこの地で生きれるように――ゆえに「ゆずる」
・朏の氏は、現在の国の形から、当時の契約者によって与えられた
・月野王国 現 武術指南役
・月野国の王族と代々契約を結んできた


【篁しき】
・第三世代
・〈ゆずる〉の守護者
・かなり愉快な性格で、よく〈ゆずる〉に呆れられている
・補佐としては実力を発揮する
・最近では〈りつか〉まで一緒になってノルので、ストッパーがいない状態
・契約者は〈りつか〉


【月野王国の第一世代】
・「死ぬのはいつでもできるので、生きれる限り生きる」と、生存を選択し、現在研究オタクとかしてちょっとはっちゃけた明るい性格になっている
・両儀の復活のための研究をし続けた…というか研究が好きすぎ長寿を満喫している研究馬鹿
・崩壊のい日に身体が変異しようがかまわず研究をつづけた
・つい最近まで存命だった
・第二世代と、今を生きる人々に研究をたくした


【月野王国の第二世代】
・第二世代
・第一世代から研究をひきついでいだ研究者肌
・まれに研究のし過ぎでフラストレーションがたまると、変なテンションで何か(戦闘や謎機械を作ったり、お祭りを突然計画してドンチャンしたり)をしでかし始める
・国の人柄ゆえか、民に触れているせいでなぜか陽気な者たちが多い


【藤村まもる】
・第二世代
・藤の美しい郷をまもって。という願いから生まれた
・もっとも「春」という概念に近い性質を持つ
・花を咲かし、生かす能力を持つ
・契約者は〈けんすけ〉


【後藤こうき】
・第三世代
・〈まもる〉の守護者
・〈まもる〉よりも遥かに強い力を持ち、藤を咲かす能力はピカイチ
・ドジな主を守るので忙しい
・契約者は〈りょーた〉


【皐月あおい】
・本名:月野あおい
・月野王国の王子
・王家にて歴代類を見ない脳筋
・術を発動すると何か違う現象が起こるへっぽこ術者
・外見に似合わず意志が強い
・王族の数代に一人現れるという脳筋
・キラキラさわやかオーラはあるが、〈はじめ〉のようなカリスマオーラはなく一般人の格好をすると埋没してしまう
・基本的に〈はる〉のピンチなとき「いいところ」はすべてこいつがかっさらっている(無意識)
・契約獄族は〈あらた〉


【睦月はじめ】
・睦月家の現当主
・幼いころから「はやく契約しろ」とお見合い写真なみに獄族の写真を見せつけられゲンナリ。自分は獄族と契約はしない!と決意。
・〈あおい〉にはかなわないが武力の才もある
・文武両道の天才
・ただしおうちはビンボー
・一国の王をまかすほどのカリスマリーダーオーラーを放っているが、ただの貧乏人である
・将来の夢は、屋敷の廊下のふみぬけて空いた大穴をふさぎ、屋敷中の障子をはりかえて穴のない障子を保つこと
・契約獄族は〈はる〉








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