有り得ない偶然 SideW
-クロバヌ 外伝-




05: 君のことをまた一つ知れた

※ラジオCD 黒子のバスケ放送委員会Vol.7のジャケイラストの火神がどうしても身体硬そうにしか見えない→じゃあレイも硬そうだな。そんなネタ
※花悲壮の火神(レイ)は身体が硬いを設定にしてます
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キセキの世代の、人よりぬきんでた才能しかり。
その中でもさらに突出した赤司くんの異常なほどの才能さしかり。
その飛び出た才能が、あまたの人々を傷つけ、その心をえぐった。

つまり、なににしろ、やりすぎはよくないってことですね。

大丈夫です。
僕はそれをしっかり理解しました。
ええ、それはもう、とてもよく、実感しましたとも。
むしろ実感させられましたよ。





++ side黒子テツヤ ++





みんなでバスケをしよう!ということになりました。
仲のいいメンツを集めてのそれ。

けれど、プールに入る前にも準備運動と言うのは必要でしょう?
そうでなければ、突然の水圧に体が耐え切れなかったりして、逆に体を壊す結果になるというもの。

もちろんそれはバスケでも同じです。

体はほぐしてから動かないと、体を痛めてしまいますからね。



――それは、バスケをやる前の柔軟で発覚した新事実。


火『だぁー!!!!もう無理っ!!』

なんと火神くんは身体が硬かったのです。
それを知った花 宮さんが、ニタァと怪しい笑みをうかべ・・・

前屈中の火神くんの後ろをまわると

花『かーがーみーくーん。お手伝いしてあげるよ☆』

思いきり、グッグッグッと火神君のまるまっていた背を押し始めたじゃぁありませんか。

火『うぎっっ』
花『お前、あんだけピョンピョンしなやかに飛ぶくせにどーしてこんなに身体が硬いんだよc(`・ω´・ c)』
火『痛い!アザナさんっ押さないでっ、イッテェェェェェ!!(´□`;)』
花『この体勢でも硬いのかー。フハッ』
火『黒子助けてっ』
花『オイオイ、ここで相棒にヘルプとは早いんじゃねーの?』

ギギギギとアニメなら鈍い音がしそうな感じです、ハイ。

助けたいんですが、今忙しいので無理です。
なぜかこんなところにビデオカメラが。ええ、ずっと僕が持っていたものですね。
相手方の手では、携帯で写メをとっているので、ちょっと手が離せそうにありません。
申し訳ないですが、この動画が録り終わるまで待っててください火神くんっ。
大丈夫。君なら耐えられます!

花 宮さんと火神くんの貴重な青春の一頁(日常編)なんですよ!
これはあとで古橋さんに高く売りましょう。花 宮さんのいたずらっ子顔なんて本当はめったにみれないらしいじゃないですか!
もちろん君の涙目勇士に関しては、永久保存版で保管しておきますので安心してください!



しかし、おかしいですね、これは。
教えてあげるべきでしょうか?
もうそれは、前屈ではないと。
花 宮さんはいつの間にか前屈ではなく、プロレス技をかけています。
かけられているそれが、じつは柔軟体操ではなくプロレス技だと、火神くんは気付いているんでしょうか。
それに花 宮さんが「火神の体、かったーいwww」などと笑いながら連呼するため、「かたい」という単語がゲシュタルト崩壊しそうです。





―――しばらくして――



花『ふぅ。………火神との新たな遊びを発見した(´・∀・` )』
黒「それ、遊ぶ(あそぶ)ではなく弄ぶ(もてあそぶ)の間違いではないですか?』
花『そうとも言いますね(ニッコリ)』
火『やだ、アザナさんがイキイキしてやがる!!(涙目)』

ほんと、キラキラさわやかな笑顔で身体が硬い人にとっては行っているのが鬼の所業ですよね。
そして花 宮さんは事の他火神くんを構うときに容赦ない。
後輩とはいえ、なぜ火神君だけに!?

とりあえず

黒「壊れない程度にお願いします。僕の光なので」

もちろんと頷かれたが、とてもさわやかな笑顔でした。
やりとげた感がハンパナイお顔でした。

火『どうして俺ばっか・・・』
花『いじくりがいがあるんだよ。というか、火神の反応がとても楽しいので大好きです』
黒「歪んだ愛情表現ですねー」
花『その光景を真顔で連写する黒子も相棒に対して愛情が歪んでんだろ』
火『流石に愛でろと言わないが、嫌われるより余程ありがたいと考えるべきか……』
黒「火神くんは花 宮さんにやり返すとか考えないんですか?」
火『ハッ!?俺が、やりかえす?思い浮かばなかった』
花『却下。その行為をすべて潰すだけだ』
火『そ、そんなに言うなら、字先輩こそ!』

黒花「『ん?』」

火『前屈できんのかよ!です!!』


火神君が珍しく言い返しました!
っがしかし。

花『フハッ!なんだ。そんなことか』

花 宮さんははなで笑うと、床にペタンと座り、そのまま前に上半身を曲げます。
しょせん前屈ですが・・・

花『どうだ。オレはお前と違う!』

花 宮さんはドヤ顔しながら地べたに座ると足を大きく広げて、まるで新体操かバレエのようにベタっと身体を倒したのです。
もののみごとに床に上半身がくっついています。
しまいには正座をしたままそのまま背後にブリッジとかしはじめた花 宮さん。
下手したら中国雑技団の妙技とか出来そうな軟らかさです。

ポケモンの趣味といい、なんと身体まで正反対の二人なんだ。



火『字さん身体軟らかすぎだろ!』
花『お前が身体硬すぎるんじゃね?』

言い争う二人をよそに、僕は録画のスイッチを切りました。
はぁー。満足いくものが取れました。十分です。



どうせです。
僕の意見を聞いて下さい。

思うに――



黒「花 宮さんのは、逆に軟らかすぎて気持ち悪いです」



花『orz』
火『ぶふっ』

言ってやりました。
僕はいま、とてもスッキリしています。
かわりに花 宮さんが撃沈していましたが、どうでもいいですね。

ただし、やりすぎは何事もよくないってのは、よくわかりました。

それにしても火神君まで爆笑して。
花 宮さん、やるじゃないですか。伊月先輩のダジャレよりおいしいようですよ。


やはり笑顔が一番です。
火神君も素敵な笑顔になっていますし、周囲の皆さんも楽しめたようで何よりです。





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