短話. レベル後退?いいえ↑です |
-- side 夢主1 -- イッシュについてからなんやかんやあって、ハナコに、オーキド博士ことユッキーとサトシと一緒にいくこととなり、そのままアララギ博士(娘さんの方)の研究所にやってきたオレたち。 ここまでの間にサトシのピカチュウが、ゼクロム“ゼリィ”の電撃をあびた。 メンタル豆腐なあの子でもその電気の威力はさすが伝説にくわえられるだけある。 そんな致死量に違いないだろう電撃を《普通のポケモンでしかない》“ピカチュウ”があびたんだ。さぁどうしよう!?とあせっていたが、当の本人はまったく問題はなかったようでケロリとしていた。 なのに、アララギ博士のところにいた新人さんといざバトル!っと意気込んでサトシと飛び出て行った“ピカチュウ”は、再検査をしてくれと慌てて戻ってくる。 どうやらうちの“ゼリィ”のせいで、サトシのピカチュウは電撃技が使えなくなっていたらしい。 やべぇ。うちの“ゼリィ”がやらかしやがった。 と。 焦っていたら、また上空に雷雲が。 あの青い雷。 慌てサトシのピカチュウをつれて外に出る。 やっぱり空には“ゼリィ”がいた。 雷雲の近くには、キラキラ輝く“ホウサクさん”の姿も見える。 あいつをおいかけていたホウオウ“ホウサクさん”も戻ってきてるから間違いない。 まちがいない“ゼリィ”だ。 オレの顔を見た途端また逃げようとするし。 でも残念ながらモンスターボールは届きそうにない。 それに“ゼリィ”はサトシのピカチュウを気にしているようで、一度軽めの電気を放っていた。 オレの腕からとびおりた“ピカチュウ”はその電撃めがけてかけていく。 ピカチュウのシッポは避雷針となる。 二度目の電撃をあびた“ピカチュウ”は―― やっぱりケロリとしていた。 オレたちが落雷のまぶしさに目を閉じている間に、“ゼリィ”の姿は落雷と共に消えていた。 後を追うように指示していた“ホウサクさん”だったが、オレがいるのをみつけると、一度指示を仰ぐようにその場に残っていた。 手を振って呼び戻せば、そのまま後を追わずオレたちの前に舞い降りる。 それをみたハナコやユッキーが慣れゆえにニコニコしていたが、アララギ博士が絶叫をあげて腰を抜かしていた。 っで。サトシのピカチュウだけど。 二度目の雷撃で、電気タイプの技を取り戻すことはできたようだった。 けれど サ「ど、どうしようさん!!ピカチュウのレベルがさがっちゃった!!」 ア「あらら〜。こうなると今まで使えていた技が使えなくなってるかもしれないわねぇ」 ハ「まぁ、ピカチュウが?大丈夫?」 オ「じゃが当人は元気そうじゃのぉ」 夢「っていうか、そういうのなんでオレに言うのサトシ?博士とよべる偉い人が二人もいるのに」 サ「あ・・・。つい」 サトピカ「ぴぃーか」 “ピカチュウ”はどうやら今度は、レベル後退を起こしているらしい。 いや、当然だよね。 あんだけ伝説級の電撃喰らってれば、キャパオーバーですんだだけでもましってもんだよ。 やれやれ。 いや。でも…。 うちのポケモンがわるさしたし。 その責任は取らせてもらうよ。 オレの横で翼をたたんだ“ホウサクさん”が申し訳なさそうに首を垂れている。 お前のせいじゃないとその顔をなでてやるものの。 まったく“ゼリィ”はやっかいごとばかりおこす。 夢「こちらにも責任はあるしなぁ〜」 オ「これ。お主、ポケモンを野放しにしすぎじゃ」 ハ「そうよぉ。サトシのピカチュウになにかあったらどうする気だったの」 夢「うちの“ゼリィ”がすんませんでした!!!」 サ「あのさんが土下座してる!」 サトピカ「ぴ?」 夢「よし!いまからレベルを取り戻すぞ!」 サ「相変わらずママによわいなぁ〜」 夢「まぁ、いいけど“ピカ”が今オレの手持ちだったことを感謝するといいよ」 実は“カザハナ”や“ハナビ”、“トウカ”と、オレの手持ちには、“ピカ”以外にも他にピカチュウが三匹もいる。 けれど、彼らは“ピカチュウ”とはりあえるほどのレベルでも蓄電量ももたない。 唯一伝説に加えられるんじゃないかとうたがえるレベルなのが“ピカ”だけなのだ。 なによりここはイッシュ地方。 手持ち以外のポケモンと入れ替えることができない。 声や画像なら送ることができる。しかし物質となるとそうはいかない。 しかもポケモンは生き物だ。 原子まで分解される装置で失敗したら、それこそタダで済むはずがない。 それゆえに他地方との交換がこの地方ではできないのだ。 距離が遠いというのも随分問題である。 おかげでオレは、今の手持ちポケモンを取り合えることができない。 まぁ、オオキド博士やハナコがいるから、手持ちポケモンをカントーに返してもらうことはできそうだけど、一匹もいないのは困るので、オレはきっとこのままみんな連れて行くんだろう。 “ホウサクさん”…伝ポケなんだけど。 まぁ、こうやってオレにすりよってくるところを見る限ふつうのポケモンと変わんないよな。 オレ、モフモフしてて大きいポケモン大好きだし。 うん。やっぱり。これからの旅も絶対このまま手放さず側にいてもらう。 それにほら、飛行タイプは重要だしね。 っと、いうわけで。 夢「“ピカ”。たのむ」 夢ピカ「ぴかっ、ちゅ!」 名を呼んだとたん、ポンと音を立てて飛び出してきたピカチュウ。 なでててとばかりにとびでてきたとんオレにすりよってきたので、いつものように頭を撫でてやれば目を細めて「ちゃぁ〜」と可愛らしい声を上げる。 うん。可愛い。 こんな可愛い容姿でかわいい声出すくせに、性格悪いなんて誰も思わないだろうなぁ。 サ「“ピカ”!おれの“ピカチュウ”みてくれないか!」 夢ピカ「ちゅう。ぴかちゅ、ぴーか、ぴかぴ(了解。話は聞いてたからね。そのつもりだよ)」 サ「よろしくな」 サトピカ「ぴっか!(よろしくね)」 とりあえず二匹ともかわいい。 なんか年季が入っているせいかオレの“ピカ”の方がちょっと大きさがでかいが。 しっぽとしっぽで電気をパチパチして挨拶している二匹かわいい。 みてるだけど癒しだな。 サ「ピカチュウが電気を使ってる!本当に元気になったんだな!」 ・・・っていうか、そのまま電気の量がアップしているような? 夢「!?」 オ「…のう、サトシ。あれは挨拶の容量をこえてないかの?」 ハ「そういえば…。“ハナビ”や“カザハナ”の挨拶のときだとあんなに放電はしてないわねェ」 ア「!?あ、あれは!!」 夢「まてまてまて!!!そこの二匹!電気レベルの調整するなら外でやれ!!」 とっさに“ホウサクさん”が〔まもる〕を使った。 オレの指示なしにオレのポケモンたちはよく動いてくれますねぇ。 あ、でも研究所の機械は・・・ ア「わ、わたしの研究所がぁ!!!」 だめのようですね。 サトピカ「ぴぃ〜か?(どうしたのみんな?)」 夢ピカ「ぴ(ふん。気にするな)」 夢「いやいやいやいや!!!気にしろよそこは!!」 その後。 一度ピカチュウたちは放電し、ちょっと機械を狂わせたけど。 ショートした機械はなかったようだ。 本当になによりです。 庭先で互いに手を繋いで、ひとつひとつ技をだしたり、“ピカ”が電気を補充したりして、“ピカチュウ”の調整をしていく。 なんとかいままでのレベルまであげられたときには、アララギ研究所の庭がひどいことになっていた。 そのことからサトシの“ピカチュウ”はそうとうのレベルであったことがわかる。 なお、これにまたアララギ博士が悲鳴を上げていた。 もちろんなおしたよ、オレが。というかオレのポケモンたちが。 “ピカ”が地面に微弱な電気を流して一部分を腐らせて地面を活性化させたり。 シェイミ“カナン”が、〔くさむすび〕を発動し、それに“ピカ”が補助をする。 “ホウサクさん”が〔あまごい〕や〔にほんばれ〕をつかって、成長を促したり頑張ってくれていた。 オ「ふ〜む。なんというか相変わらず豪勢な復興作業じゃのう」 夢「あぁ〜〜“ホウサクさん”!働かしてごめん!まじごめん!!あとでお前の好物つくってやるから!! “ピカ”はすこし自重しろ!!」 夢ピカ「ぴっかぁ(レベルあげてつだってやったのに)」 ハ「そういえばこの前までホウサクさんは〔あまごい〕なんてつかえたかしら?」 サ「ポケモンのマジックショーとか言えば、これやってけそうだよなぁ」 サトピカ「ぴかぴかちゅぅ(ホウサクさんは人前に出せないよ)」 サ「それもそっか」 ア「・・・・・・な、なんなのこれ・・・」 時間軸は、夢主とサトシたちがイッシュにきてから、アララギ研究所でのこと。 本当は「破壊活動」を書きたかったんじゃなくて、もっとピカチュウ二匹による「電気&レベル回復」と「癒し」についての詳細を描きたかったんだ。 でもあの面子を考えると、どうしても破壊とビックリに話が進んでしまって…。 アララギ博士の苦労が目に見えるようですね。 頑張れアララギ博士! |