【短編】 黒筆一家のハンター試験 |
-- side オレ -- ジンがハンター試験の時、オレは試験官だったけど、オレが用意した試験までは人は残らなかった。 あのあとヒソカを拾ったことで余裕がなくなった。 そんでもってヒソカも我が家になれ、いまならハンターに戻ってもいいかもなんて思った。 次にオレが試験官のときは実家の裏庭を使おう。面白半分でゼノさんに協力してもらおう。 そんなことを遥か昔に思った。 現実は―― 「オレが試験官?あ〜断る。絶対面倒くさい」 「たくさんの強者と戦えるし知恵比べもできよう」 「いや☆」 本当に来ました。ネテロ会長からの試験管以来。 実際に来ると面倒だった。 だから即答&笑顔でお断りしました。 「たくさんの猛者と…」 「だからそれが面倒だし。むしろ戦闘狂なのは息子と母です。オレ、面倒事嫌いなんでお引き取りください。 今までヒソカを育てるためにハンター協会で試験運営手伝ってきたからよけい事前処理の苦労も後処理の半端ない労力もわかるから断る」 そうか〜残念じゃのと、爺が帰ろうとした。 なのに。 まさにそのタイミングをねらったように、母がきた。 「あらぁまぁ〜楽しそうねぇ」 「母さま!?」 「まぁまぁ。なんならうちの庭を使えばいいわよ。それなら後始末とか楽でしょ。 受験生が頑張ってる間は家に帰ってくればいいし最高じゃない?なにより私もやりたい!」 「僕もやりたいです師匠」 くっ。母め。うちのヒーちゃんをとりこんだな。 ニコニコ母と同じ笑顔で見られては、子供に甘いと評判のオレに断れるはずがないだろう。 「しかたないなぁ。あの会長。試験官として人を雇うのありでしたよね。 あれって受験生殺すのありですか? うちの家族が参加したがってるんですが…」 一瞬無言が返ってきた。 でもね、それだけの許可が必要なんですよ。 うちの家族を解き放つというのはそういうこと。 戦闘狂と殺人鬼ですから! 「ん〜まぁ、しかたあるまい。ほどほどにの」 「裏庭の樹海を開放しますんで敷地が広いのであと複数人さそっても?」 「試験官も死ぬ覚悟があれば構わんよ。それにしても今年の試験官はそれぞれ個性的じゃな。これはうっかりすると誰もうからんかもしれんの。ふぉっふぉっふぉ」 「それ笑い事?こういうのありなの?」 「長いハンター試験上こういうことは何度もある」 あるのか。 あ〜でもたしか、原作の時は粋のいいのがいっぱいいたな。 なら、今全滅してもいいか。 「大丈夫大丈夫。287期は新人がきっと豊富だから」 「んん?あいかわらずおぬしはよくわからんの」 そんなこんなではじまりました。 第●●●期ハンター試験 イン オレんちです ここまでくるのにはいろんなしかけがあり、まず一次試験会場まで行かないといけない。 もちろん生き残ってもらわないと困る。 まず一次試験。 裏通りの喫茶店、飯もある場所。その道で必ず水のペットボトルを買う。生クリームたっぷりのショートケーキにいちごは二つと注文して、その先にある秘密の通路から会場へ。 会場についた連中は、たしか無人島に連れてかれ、自分で町まで戻ってこないといけない。 一次試験は指定の港町になんらかの手段を用意て海を渡って、辿り着いたら終了。 二次試験は砂漠の中にあるお屋敷の中、精神的に極限状態にさせられ、殺人犯さがし。 っで、それに残った審美眼と忍耐があった持ち主たちが、今三次試験たるオレんちにいる。 今年の試験はやたらハードだな。 まぁ、オレの試験に合格した場合、四次試験に待ち受けるのは嫌味なガリ勉やろうのねちっこい筆記試験だったはずだよ。 うん。やっぱり今回の試験官はアクが強いやつらしかいないな。 今回の受験者は可哀そうに。 だからといってオレが試験内容を変えるわけないけどね。 面倒くさいのは嫌いなんだ。 ピンポンパンポーン♪ おしらせで〜す。 《えーこれより。第3次試験をはじめる》 マイクのスピカーに電源を入れて、予想以上に残った50人近い人間たち全員に聞こえるよう壇上に上がる。 マイクのてすとちゅ―マイクのテストを〜…。 《内容は簡単。プレートを守って一週間生き残ればいい。 だからプレートはなくすなよ。なくしたら失格となるかな。 まぁ、森に入ったらあとは自由だから、他の受験者とつるもうと、相手をライバルどもを蹴り落とそうと好きにすればいい。 まぁ、それはどうでもいい。 まず聞けややろうども。 重要な話をこれからするぞー。いうなれば第3次試験の細かいルールだ。 この場所は、とあるひとの私有地を貸してもらってるだけだ。 さらには試験の間のみ特別な処置がほどこされ、プレートを持っている者はこの森からでれない。 命が惜しかったり、リタイヤしたい場合のみプレートを捨てろ。 プレートを捨てた者は不合格とみなすが、協会のスタッフが拾いに行くし、樹海からでることが可能となる。 合格基準は簡単。 さっきも言ったが、一週間この地で生き残ればいい。 ただしここには野生動物がたくさんいて、これの一部は絶滅危惧種として保護指定がされているので・・・えーっと。なんだ? そうそう、あれだよ。いちいちどれが保護指定を受けているのか説明が面倒なので、ここの鳥類と四速歩行の動物を傷つけることは禁止する。 魚や木の実などはOK》 なんかいろいろだるいな。やっぱり試験官なんかやめとけばよかったかな。 あ〜、でもヒソカ嬉しそうだったし、母様のりきだったし。 うん。オレに彼らの矛先が向けられないのならいいか。 《なお、さっき言った動物に手を出した場合――》 「「「「場合?」」」 《死ね》 「「「はぁ?」」」 《オレがハンター協会から怒られるんだよ。だから、殺さず頑張って生き延びろ》 「・・・・・・・なんて無茶苦茶な」 《甘いぞおまえ達ー。ハンター試験なんて試験管の趣味で99%ができてるんだ。 オレのはまだましだぞ。ちゃんと食料の保証をしてるだろ?もっと凄い陰湿な試験管は世の中山のようにいる。 オレの試験のときは砂漠を歩かされた。水一つだけを持って》 「「「・・・・・・・・・・・・」」」 《それに、もしも試験管が美食ハンターだったとかんがえてもみろ。あいつらは美味しいもののためならなんでもする。 料理対決なんかさせられたらどうなっていたか・・・》 「「「ご、ごもっともです」」」」 《よし。わかったようなら最後の選択だ。でるかでないか?》 っと、そこで、脇から物凄い勢いで赤色が突っ込んできた。 壇上の上に立っていたオレの脇腹に弾丸のように飛び込んできたのは、義息にして弟子のヒソカ。 髪の色が赤くて同じだから、最近では血が本当につながっているんじゃないのかとよく間違われる。 まだちっちゃくてかわいかろう? まぁ、だきついてきたあの勢いは念能力でカバーしないときっと圧死してただろうけどね。 「あ、師匠☆仕事終わった?」 「ヒーちゃんきっちゃたのか」 「ボクまってられなくて☆」 オレと同じような明るい髪色の頭をナデナデして、たえられないとばかりにキラキラして目を輝かせているヒソカに、 この場にいる全員死んだなと思わず遠い空を見上げてしまった。 それにしてもこの子の髪の毛サラサラで気持ちがいいな。 オレ、はねげのボサボサだし。 「師匠?」 「んー、いま説明中だからもうちょっと待ってろ」 「うん☆でも、ボク、早くおばあちゃんのところに帰りたい」 あらん◇この子、すっかりオレじゃなくて、母様になついてるよ。 うらやまし。 じゃなくて、すっかり母様の笑顔に毒されていて、常に笑顔が染みついてしまっている。 恐るべし。 母が怖いのか、将来「原作のアレ」になる息子が怖いのか。わからんが怖すぎる。 ま。オレに被害がないので良しとしよう。 《・・・・・・っと、いうわけで、オレたちはこの試験が終わるまで樹海の外にいるから。 それとこの樹海には野生動物以外に、楽しくて愉快な試験管が数人紛れ込んでいる。 試験管は腕に腕章をしているのが特徴なので、そいつらに襲われたら逃げるか戦え。オレは逃げることを進めるがな。 あと野生動物や、戦いを挑んでくる試験管とやりあうようなことがあるだろうけど、鳥類と四足動物以外なら殺し合いもOKだから。 ま、生き残ってくれ》 その後、じゃ。といって小さなこどもをひきつれさっさとオレは帰った。 「っと、いうわけでゼノさん執事をひとり貸してください」 「ふむ。わしが戦ってはだめかのう?」 「だめです。全員死んじゃいます。とういうか、うちの母様と息子を止めるストッパーに貸してほしいと頼んでるんですが。 まぁ、ゼノさんはオレんちでゆっくりお茶でもしていてください。 それにうちの庭の動物達みんな凶暴ですから危ないですよ。 あとはうちの戦闘狂の二人がでしゃばりますんで。手加減はすると思うけど、おかんとヒソカものりのりですし・・・まぁ10人くらい生き残ればいいほうじゃないですかね?」 「フォッフォッフォ。怖い試験じゃのう」 「いたんですか会長。でも許可したの会長ッスよ」 「そもそもなんでゾルディックがいるかの」 「「・・・・そりゃぁ」」 「オレとゼノさんはお友達ですから。むしろゼノさんはオレの念の師匠ですよ。 ゼノのおっさんに会ったのいつでしたっけ?あ、いまからじゃ二十年近く前ですね」 「そうそう。なつかしいの」 「ゾルディックと仲良く茶をするお前さんも怖すぎじゃわい」 「オレも思います。とりあえず、試験、誰が生き残るでしょうね〜。生き残ればいいんですが」 オレも怖い試験だなと思う。 さぁて。いったい何人生き残るのやら。 無事を祈る! |