36.気がつけばナルト世界にいました |
――目を覚ました先に意外な人物と《再会》した。 ::: side 夢主2 ::: (ここは・・・) 見たことない天井。全身は鉛のように重く感じる。 『目、覚めたってばよ?』 耳に入った声と独特の喋り方に目を見開く。 鮮やかな金色に、その一房が綺麗な朱が入った髪 青い瞳 雑踏でも目を引き付けるだろうオレンジの服 (な・・ルト?) アニメの姿そっくりの人物が私の傍にいた。 『あ〜、今声を無理に出さないほうがいいってばよ。 大きな怪我して、熱出して五日以上寝てたんだから』 口から音を出す前に止められる・・・疲れた体にはありがたい話だ。 それより、今少しだけ。 本当に少しだけど、《五日》という言葉にトゲを感じた気がするのは・・・きのせい? なんとなく。怖いから、そのことは考えるのはよそう。 それにしても―― (今度は【NARUTO】の世界に飛ばされた?) * * * * * 直前に覚えているのは、薬売りさんによって退治されようとしていた物の怪が、最後の最後であがいた。 そして私は物の怪に引きずられて一緒に封印された。 あぁ、そうだ。あの物の怪と一緒に緑色の渦に押し込まれたんだ。 思いつくのはそれくらい・・・つまりあれが原因だと思う。 薬売りさんが気になるが、強制的に他の世界に飛ばされた身では確認しようがないのが事実だ。 (あれで体が動かない程度か・・・大きな怪我じゃないのが幸運だな) 1度でもトリップ経験したせいか、最初の時より混乱はしていない・・・はず (でも、ナルトに朱のメッシュなんて入ってたっけ?) 今は懐かしい初期の幼い姿―――額当てしている時点で少なくともアカデミー後。サスケ里抜け未満だと判る。 原作に忠実であればだが。 (私・・・【NARUTO】はサスケ里抜け後から知識曖昧なんだけど!?) 『ん?このメッシュは【NARUTO】の原作にはないやつだってば』 私の視線に気づき、メッシュの部分を指しながらナルトは事も無げに言う。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (・・・・・・・・・・・は?) 『此処は零の知っている【NARUTO】の世界とは少し――だいぶ?違う世界なんだってばよ』 笑顔で説明するナルトもどき(もう、もどきだろ) 私、自己紹介してないんですけど。 『あ、そっか。気づいていない?』 ―――私だよ。 「へ?」 『おやおや。ま〜だわかんないのかよお前。 君と同じ地球出身で高校美術部先輩兼、悪友のつもりの。オレたち相棒だろ』 (って?!) 『なんなら君と作った丸秘二次創作ネタや、HP内容やオリジナル小説の話するけど?いいんだってば?』 「せっ!ぐ・・・っ」 『あーあ。いわんこっちゃない』 げほごほと咳き込む中、思い当たるのは只一人。・・・うん、言い回しが“彼女”っぽい。 どうやらあの事故後に、私の相棒兼先輩は《転生》型らしいと判明。 -------------------- ところで。 先輩。 あんたこんなところで、なにナルトやってるんです? そこそこ、さがしましていたんですよ。 |