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有り得ない偶然 Side1
- 名.探.偵コ.ナソ -



02.正解はこちら



〜Side 1〜



まず、勘違いが至る所で多発しているので、訂正のため名乗っておこうと思う。
オレの名は「工藤アザナ」。

新一の双子の弟ではなく、年子の一個下の弟である。
幼稚園に通わせていない。小学校に通わせてない――とかではなく、新一と一年ずれていることを理解してほしい。

そして、新一が幼稚園に入ったころに突然発生存在ではなく、この世界でちゃんと赤ん坊から生まれている。

あと、転生しまくって幾星霜。
ぶっちゃけ徳(?)を積みすぎたらしく、そんじょそこらの転生者の能力など無効化できるレベルの強靭な魂であると告げておこう。
神様経験も豊富だしなぁ。そりゃぁ当然だ。

なお、この世界は微妙に修正力が働いているせいで、異端であるオレのことを原作が近づくごとに家族が忘れていく。
微妙っといったのは、原作の登場人物にのみ修正力が働いているせいだ。
オレという本来いない存在を完全に消し去らない。そのせいで、オレのことをぬきに原作は進んでいく。けれど、オレはここにいる。つまり、オレはここに存在しているのに、原作キャラ達からはオレがみえないのだ。
中途半端の修正力が一番うぜぇ。

おかげで家族がオレを育児放棄しているように、周囲に見えている件。
このあたりまで勘違いが加速すると、もう訂正を入れるのも面倒になった.
この際、ご近所さんには勝手に妄想していただこうと思っている。たいがいはその妄想であっているので、放置している。
なにせ暴力は振るわれてないが、放置はあっているので、訂正する必要を感じなかった。
たぶんこれは普通の子供がやられると死んでた。
みかねたご近所さんや他の周囲の方が、放置されているオレに手を差し伸べてくれたので、この年まで生きてこれた。
周囲の善良なる方たちが食事や風呂や知識を与えてくれたこと、原作との関係が程遠いただの日常ではまれに家族がオレのことを思い出すので、なんとかここまでこれた状態だ。


なんでこんな話をするかって?
いや、この世界たぶん転生者とか夢主ていうのいっぱいいるよね?
彼女彼らはオレが違うといっても転生仲間だとは思われていないふしがある。そういう点では、オレの言葉を聞いてはくれないし、オレが訂正を述べると原作キャラをかばっていると勘違いされてしまう。
そして彼女彼らは、原作がどうの修正力がどうのとよく口にするので、転生者だと結構まるわかりだ。
だがオレには害もないので何時の頃からか、彼らの存在を気にするのはやめた。
むしろ育児放棄ぎみなオレの援助をしてくれているのでありがたい存在。なだけだと思っておくことにしている。
転生とか、こういうのは深く考えたら負けだ。





なんだかんだ必死に生き延びて、ついにオレも高校一年生。
つまるところ、新一が高校二年生になったということ。

はい。みなさんわかりますね。
原作開始です。

ある日、とめたにもかかわらず、工藤新一が縮んで帰ってきた。
そして新一がこうなってはじめて知ったことがある。


やだ、この世界。
まさかのサザエさん時空かよ。


なんて地獄・・・








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