+あらすじ+
転生主が女神に望んだ能力とは、フライパンをどこでもだせる能力だった。
なお、この力をもらった瞬間、女神を殴る予定だったが、それはかなわず。とにかく夢主は異世界へと飛ばされたのだった。
フライパンを持って、神と呼ばれる系統のものをすべて抹殺したい夢主が、勘違いを引き起こしつつ笑いと原作破壊を起こしていくはなし。もとい、フライパンでぶん殴ればすべてなんとかなると思っている夢主の転生記。
【夢主の設定】
・転生を繰り返す。
・能力:フライパンをだす能力。
・かなり理論的思考回路をしているが、手が出るのは早い。
・神への信仰心、信頼、希望、夢はあいにく持ち合わせておらず、殺意しかもってない。
Lastup 2026/6/22.加筆修正 
【本編】
■序章
爆発に友人と巻き込まれ死んだと思っていたら、謎の空間にいた夢主。
声だけが降り注ぐ中で、その謎の声に[《ほしい能力》を与えよう]といわれる。
「…無償の贈与とか。なにそれ。それが一番怖い。自分に力を与える意味は?それにともなうあんたの利益はなんだ?それを言え」
[やだ。この子手厳しい…(汗)]
きけば運命の女神がうっかり居眠りした瞬間に夢主たちのいる世界によだれをたらし、それが隕石となって夢主たちを直撃したという。
「そりゃぁ、爆発するわな。隕石じゃなぁ」
[でもすっごい小さい範囲ですんだのよ!寸止め成功よ!褒めてよ!おかげでガス爆発ぐらいの規模ですんでね!ね、いいことじゃない!]
「いいわけあるか!自分、死んでますが!?」
しかも運命の女神曰く、これは予定外の突発的事件。ゆえに死後の世界に自分たちを受け入れる準備ができていないのだという。
あたりまえである。
そして運命の女神のうっかりにより死んだものたちは、まだ寿命がきていない。
魂のルールとして決められた寿命はしっかり消化する必要があるらしく、消化しないと転生の輪に投げ込むことが不可能。だが、しかし隕石による爆発で死んだ者たちは、すでにあの世界では葬式が挙げられている。現世にかかわることができない女神が、なかったことにすることもできず、人々の認識に介入する前にすでにことは進んでいる。
そのため別の世界に飛ばすから、そこで余命を勝手に生きて、勝手に死んで、勝手に魂の輪に戻ってくれ・・・ときた。
これをきいた夢主は、声の主を殴りたいと思ったのは悪くないだろう。
これにより、夢主は能力をひらめいたが、それを女神は知る由もない。
[で、能力だけど…どうする?]
「どうするじゃねぇーよ」
正確には「ほしい能力をあげるし、望んだ能力を"使える世界に"飛ばしてあ・げ・る(ハート)」である。つまりその魂が生きていれば、どこにいようがかまわない。しかし肉体は死んでいるので戻ることはできない。この世界にはもう帰ってこないでね。元の世界には戻れなし。むしろ別の世界行けよ。でも別の世界は、声の主からすると管轄違いなため、そこで死んでもしらないということらしい。魂が生きてないといけないとか言ってなかったか?聞き間違えだろうか。それに関しては、アレらしい。アレとは?別の世界で誕生した時点で、この世界と魂は縁が切れるので、ルール適用外となるとか。
なんて矛盾。なんて傲慢。なんて与太郎。お前は運命の女神ではなく狂言師だろうと、夢主が頭痛を覚えたのはいうまでもない。
しかもくれるのは「能力だけ」ときた。生活の保障はされていないだろうこれ。
結論――
「フライパンを"出せる"能力ください」
夢主は言った。生き残るために、フライパンとともに世界を駆け抜ける決意を決めたのだった。
「え?えぇ?なんでフライパン?こう、聖なる騎士みたいな光の剣をつかえるようにとか、魔法を使えるようにとか…他の子たちは、いろいろ凄い能力やら条件をいっぱい言ってたわよ?磁力を使えるように。とか、振ったらすぐに武器が打てる槌の能力とかとか」
「さすが日本人。妄想力が激しい。
そもそも聞きたいんだが、『能力』ってことは、例えばあなたの言う光の剣を「使える」とすると、使えるだけで、まず光の剣をどこからか探さないといけなかったりしないか?しかも「光の剣」って限定してるってことは、ほかの剣は使えない可能性もある。
「剣技」という能力にしても、剣を使えても槍を使える能力はない。料理もできない。剣技をつかうためにまず体力も必要になってくるのでは?そうすると体力を自分でつけないといけない。それとも指定以外の技などが使えなくなるとか制限はどれくらいある?
与えるものが「能力」に限定しているってことは、「魔法」っていう大きなくくりじゃダメだろ?たぶん「火の魔法」とか範囲を限定しないといけないんじゃないか?
なら、料理もできて武器になるフライパンが常に出せるようになりたい。料理は自分でなんとかするから問題ない。スキル?とやらの指定も面倒だから不要。つか、一番の望みは、今すぐお前が自分の目の間に現れることだな。無理だろ?」
[む、むりというか…い、いやよ!]
目が殴らせろっていてるもの!と、泣き声が空間にこだました。
当然殴るがなにか?にっこりと笑った夢主に、ヒィ〜!といいう悲鳴が返ってくるととともに、夢主に光が降り注いだ。
[これで能力の付与は終わったわ!い、いいから貴方は早く別の世界行きなさいよ!]
そうして運命の女神を泣かせた夢主は、別の世界へと転生をしたのだった。
「次あったら覚えておけよ」
そんな夢主の置き土産ならぬ置き台詞を残して…。
■01 うえきの法則
夢主が生まれたのは平穏な平成の地球、日本。これならおかしな女神をたたきのめす必要も、レベル上げだなんだと魔物に挑む必要も、召喚主であるどこかのクソ王様の命令を聞くなんてことも、七面倒な事件が日々起きてそのせいで小さな探偵どもの推理ショーに巻き込まれ汚名を着せられる…なんてこともなさそうだった。なんて平和なんだと日々穏やかに過ごし、夢主が中学生になったとき。
自分が転生者であることもすっかり忘れていた頃に、夢主は「アナタノネガイナァ〜ニ?」と嘘外国人風の嘘くさい片言やろうに話しかけられたのだった。
その瞬間、夢主は自分が転生者であり、女神の言葉を思い出した。否、思い出さざるを得なかった。
「望んだ能力を"使える世界に"飛ばしてあ・げ・る(ハート)」
つまり、今が平和で能力なんか必要としていなくとも、能力を得るためになんらかの事象に必ず巻き込まれる…のだと。夢主は気づいてしまったのだった。
「ワタシならアナタのネガイカナエラレルカモヨ〜」
外人もどきは言った。
そして神様候補たちが
神様の座をかけて戦うために協力してほしい。そして自分が神になれば、その時に夢主は「好きな"才"」を与えられるとも。
"才"とはすなわち才能であり、それがあれば大富豪になることも可能だという。
夢主の顔は「無(スン)」となった。
いわく神様候補たちが、神様の座をかけて人間(それも中学生)を駒として使い、勝ち抜きバトルをやるのだとか。
夢主のなかから「神」という存在への信頼度と夢と憧れ度がマイナスへ下降していく。信仰は死ぬまでしないと決めた瞬間だった。
そして能力は、能力者との戦いで気絶すると能力は失われてしまう。また能力者以外の人間を能力で傷つけた場合一撃につき1つ才がなくなる。というルールがあるのをきき、夢主は大きくため息をついた。つまり一回は必ず試合をしないと能力は消えないということだ。
そして夢主はしかたなく能力を受け取ったのだった。――かかとを鳴らすとフライパンが出る能力を。
「なぁ、一つ聞く。神様になりたい"あんた"の夢はなんだ?」
ソンナノキマッテルダロォ〜自分の好きな世界に変えるんだ。見下した奴らを今度はワタシガミクダ・・・とかなんとか言っていたが、その途中で夢主のみごとなフライパンスイングが炸裂し、神候補のエセ外国人モドキを吹っ飛ばした。
夢主はやはり神なんて...と思ったし、第一の目標として目の前の神候補を地獄に落とそうと思ったのだった。
■02 桃組+戦記
⇒転生、桃園成り代わり、フライパンが猛威を振るう!
自分に能力を与えた神候補を地獄に落とした夢主が平和な人生を終えた先、新たに生まれたのはまた地球だった。
しかしかかとを三回鳴らせばどこからともなくフライパンがあらわれる。前世の能力は見事に残ったままだった。
さぁ、フライパン装備完了だ!
桃園祐喜に成り代わった夢主は、前世の記憶も能力もばっちり残っているのに、"桃太郎"だと断言されてしまう。桃太郎としての前世はないんですが!?
「桃太郎の体質なのかねこれ?なんか運がすこぶるよくないんだけど」と、叫びつつ飛んできたボールを跳ね返す夢主。
野球チームに何度声をかけられたかもわからない。
周囲に嫌われる前に、周囲の子も増やしたフライパンでガード!もはや信仰されるようになる。複数フライパンを出すならタップダンスがおすすめだ!
そんな夢主に、覚醒具「鬼美弾護」は、自分はきっとフライパンの姿にされてしまうのだろうと涙した。
片手にフライパン!たまに玉子!料理を学びつつ鬼退治!それに現代日本は銃砲刀剣類所持等取締法があるので、その意識が強すぎたせいで、やっぱり覚醒具はいつまでたってもフライパンだった。
神話の人々をフライパンでぶった切る!せまりくる不幸体質からの災難をフライパン(物理)でもってはねかえす夢主の無双伝説がはじまった。
■03 銀魂
⇒転生、真選組、諜報部員、メインメンバーたちに存在を忘れられがち。
親なし家無しで放浪をしつつフライパン片手に野山で狩をしつつくらしていた夢主だったが、あるときフライパンで敵を殴り倒す姿に勧誘され、江戸に向かう一向にひろわれる。その侍たちはやがて真選組をつくった。仲間に恩を返そうと、日々刀ではなくフライパンを振っていた夢主は、なぜか諜報部に配属された。いや、諜報部員ではなく、料理を作ってただけなんですけど?みんな裏の方でこそこそ悪だくみするんで、裏方に徹していた自分の耳にいろんな情報が入ってきていただけで(汗)
そもそも転生しているとはいえ元一般人。きったはったの争いごとは苦手だなぁ(殴るのは得意)と思い、まぁいっかっと料理を続けながら諜報部員扱いを受け入れる夢主。存在感がうすい山崎の部下として、日々いろんな場所で料理を作っているのだった。
刀?それよりフライパンのほうが多様性高いし、使いかってもいいし、殴りがいも威力も防御力もありますよね?
「山崎隊長ぉ〜、オレたち今回もアニメのスクロールにもキャストが表示されないレベルで空気なんですけど」
「夢主くん。諜報部員って基本そういうもんだよ。あとスクロールとかキャストかメタ発言はダメだよ」
ストレスと怒りはすべて天ぷらにした。
「土方副長!やめてください!あっ!あぁぁ!!!!」
土方にが油の煮立ったフライパンにマヨネーズを投下した。大爆発が起きる前に、夢主は自分の身だけ防御したのだった。
「このくそ副長がぁぁ!!!!なんにでもマヨネーズを入れるんじゃねぇ!!!!」
なお、深めのフライパンを出すなら、一回に鳴らす音を長くする必要があるゾ。
■04 怪〜ayakashi〜/モノノ怪
⇒転生、薬売りの知り合い。
どんどん時代をさかのぼってないか?とおもいつつフライパンをだして、森の中でのんびり野営中の夢主。
森でもすっかり生きれるようになったなぁ〜と、食べれるそこらの野草とキノコをすぐそこの河原でとった魚と一緒にフライパンでいためていた。のんびりと野営をしていたら、「こんなところで、腹のすく、いい香りが」とゆったりした声がかかる。振り返ればずいぶんと派手な恰好と化粧をした薬売りがいた。
森の中で人と遭遇するなんて珍しいなぁとおもいつつ、野党だった場合はフライパンで全員殴ると決めた夢主は、夜ごはんに薬売りを誘うのだった。
別に飯に毒などは仕込んでいない。
「へぇ〜、妖を払いながら薬をねぇ〜」
「では、お礼に腹痛に効く薬は、いかがです?きのことか、失敗すると危ないですし」
「そういうのはいいかな。いまんとこ失敗してないし。そうだ。かわりといっちゃぁなんだけど」
っという経緯から、夢主は妖を避けたり祓ったりする方法について教わることになった。
そうして弟子のように薬売りにしばらくついてあることになった夢主だった。
「教えるのは構いやしませんが、どうして、退魔の術などを、習いたいと、思ったんで?」
「フライパンに退魔術をくっつけたら最強かなて思った」
フライパンに新たな機能が追加された瞬間だった。
■05 D.Gray-man
⇒転生、エクソシスト。
天涯孤独な夢主が、のんびり旅をしつつたどり着いた先では、死者がよみがえるとか人が灰になるとか噂になっている。
しかし夢主はいつも通り、それがどうしたとばかりに通常運転。
ゾンビか。ゾンビなら前回の世界で教わった退魔の術は有効だろうか。きちんと妖認定されれば、異世界日本式退魔術もいけるだろうと、噂なんぞと、ものともせず料理屋でフライパンをふるいバイトを続けていた。
時間軸も世界観も違うが、日本ばかりに転生していた夢主としては、新たなに生まれた世界が海外で、何をみても目新しく楽しく旅をしつつすごしていた。当然フライパンをふるうのが日々である夢主は、新しい世界の料理を学べることにもわくわくしてすごしていた。
しかしその平穏を壊すものがいた。
いつものように夢主が厨房でフライパンをくりだしていたら、突然店の客が暴れだし大騒動に発展。
暴れた客だった存在が、フォルムチェンジしてますが?あれは本当に人ですか?人間が突然丸い金属球みたいになって砲撃してくる件。
意味が分からんが、どうやら今まで転生してきた世界とはまた異なる異世界ゆえなのだろうと強制理解。状況をいち早く分析しつつ、球体からとんでくる攻撃をフライパンで防いでいたが、AKAUMAの砲撃によってすぐに灰になってしまう。
どんどんフライパンを出して防ごうとするが、ふと自分が出したのとは別の"普通のフライパン"に触ってしまう。しかもそれがイノセンスだった。ありがたいことに白く光り輝くイノセンスフライパンは、見事にAKUMAの砲撃を防いでいく。
目の前の球体人間にくらべれば神聖そうな白い光を放つフライパン。なにか御利益がありそうだと理解した夢主は、とっさに球体人間をフライパンでぶん殴ったのだった。AKUMAはどんどんへこみ、最後には悲鳴を上げて消滅してしまった。
たまたま居合わせ、その様子をみていたエクソシストによって夢主は黒の教団に連れていかれる。そもそも天涯孤独な放浪生活をしていた夢主は、あっさりついていき、衣食住のかわりにエクソシストになることに。それからとある任務中にイノセンスではなく、能力で出したほうのフライパンでAKUMAをなぐってしまいところ、フライパンで殴ったAKUMAがはじけ飛んだ。イノセンスフライパンではへこむだけだった相手がである。どうやら無意識にフライパンにはっていた異世界日本式の退魔の術が効果を発揮したようである。
なお、イノセンスフライパンは、それで作った料理などがエクソシストに力をあたえるバフを発生させることが判明しているので、武器には向いていない。AKUMAをそれで殴ってもへこむ程度なのである。イノセンス作用が加わりエクソシストにとってバフのついた料理を生み出すイノセンスフライパンと、AKUMAに大ダメージがあると判明した能力で生み出されたフライパン。この事実をしり、ニンマリと夢主は笑った。夢主は白いフライパンと黒いフライパンを両手で持って走り出した。その先はAKUMA!そしてボコビコにされるAKUMA。あまりのたこ殴り具合に、さすがの千年伯爵も仲間たちも引いた。
どうやら、異世界日本式の退魔の術がAKUMAに効果があったようだ。
夢主は料理人(後衛)から、双剣使い(前衛)へと進化した!
■06 BREACH
⇒転生、末端の死神。
夢主は気づけばあっさり卍解していたが、刀がどんな姿に変わったかといえばフライパンである。らしい。らしすぎる。
しかしそのフライパン、並ならぬ威力を持っていた。
死者の世界って最高だな〜。神様いないし、AKUMAいないし。え、虚?あんなものフライパンの底に張り付けてある異世界日本式退魔術ではじけ飛んじゃいますがなにか?え、やりすぎ?この世界の住民はみんな霊魂の存在なので、自分の使う術で倒された存在は魂が消滅する。そのせいで魂の数がが減少し、魂の循環がうまくいかなくなって困るからこの世界ではあまり使うなって?あっはは。そうだねぇ、イノセンスとフライパンの術式が一体化しちゃったからねぇ。それは威力もマシマシだろう。
そんな無敵なフライパンを振り回す夢主だったが、感覚的にこのフライパンがこの世界において強すぎる威力を発揮することには気づいており、料理以外では極力使わないようにしていたため、夢主が卍解できること知っている者は誰もいなかった。そのため夢主は日々雑用や事務作業にいそしむのだった。
そんなある日、旅禍がやってきて、ドンドンバタバタ。上の方のお偉いさんが殺された、誰々がケガをした。誰かが処刑されそうだと大騒動が起きる。こういうあわただしい時こそ美味しい物でも食べて落ち着けよ。と、思っていた夢主。
書類仕事がたまりすぎてやばいなぁと必死に筆を動かしていた夢主の耳に、藍染の声が風に乗って聞こえてきた。「…傲りが過ぎるぞ 浮竹 最初から誰も 天に立ってなどいない 君も 僕も 神すらも だがその耐え難い天の座の空白も終わる これからは 私が天に立つ」という声。それを聞いた瞬間、夢主の身体にビリビリビリと体を稲妻のような衝撃が走った。斬魄刀が夢主が握ったことで姿を変えていく。斬魄刀であるフライパンがささやく「お前は何のためにフライパンを望んだ?」と。
「ばん、かいっ!!!!」
そのとおり、このフライパンは女神をたたきのめすために、その悪質な女神より授かった能力。このフライパンはそうやって神候補を地獄へ陥れ、妖やAKUMAをぶん殴り続けてきたのだ。そう、このフライパンは"神を殴るため"に生み出されたもの。
つまり―――
「自称神(それ以上の存在)が現れたなら、ぶんなぐるのみぃ!!!!!!!!」
空の空間が避けたり、巨大な虚がいたり、藍染からメガネがなくなっていたり、宇宙人が誘拐するような光がふりそそいでいたり、死神たちが絶望に地に膝まづくことしかできないでいたりしたが、夢主にはしったことではなかった。そもそも転生を繰り返しているせいか魂や能力の次元が違う夢主には、死神たちが苦戦する理由が適応されることはなく、邪魔者は夢主の前には何もないに等しくまっすぐにつき進むことができた。
藍染や空間の穴や虚の前に突如飛び出してきた黒い影!夢主である。その手には一つのフライパンが。
そう、斬魄刀に諭され初心にかえった夢主は、おのが心がままにとびだしていき、そのまま・・・・
バッコーン!!!
フライパンはいろんな術や力を相殺し、されには藍染を殴り飛ばしたのだった。
光がきえ、吹き飛ぶ藍染惣右介。驚く巨大虚。
そこへさらにぶん投げられたるは、白いフライパン。フライパンは宙をきりさき、ひらいていた空間の穴を消し飛ばす。
パキンとどこかで宝玉てきななにかが割れる音が響く。しかしそれは夢主の荒い息と、「神のたぐいは殴られてしかるべき!」とわけわからない夢主の叫びと、ガンガンと藍善をフライパンで殴る音にかき消された。
すべてはこの八つ当たりによって、幕を引いた。